パザパ

パザパ pas a pas ・・・フランス語で一歩一歩。頑張らずでも一歩一歩前に進める日々を願って・・・

皐月5月快晴の空の下で

いつの間にか気がつけば皐月5月のときを迎えている。行きつ戻りつ定まらない気候の後、今日はいきなりの夏日。ヒーターと扇風機が同居してると話していた生徒さん。確かに!!冷たい雨が続いた日の翌日は快晴の青い空。青い空がある日、私のこころもすっきりと曇りなく晴れ、重い雨雲に覆われた日には私のこころは雑念の雲に覆われる。天候に左右されるこころなんてヨーガ指導者として情けないよ!修行足りんなぁ!昔読んだ本「アンジェラの灰」(フランク・マコート著)に描かれていたアイルランドの重く暗い空に覆われた世界を、冷たい雨が降り曇天の空が続く日には必ず思い出す。そして思う。単純な私はアイルランドに生まれなくて本当に良かったと。

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今年も半分の折り返し地点が近づいている。新年早々試練が訪れ、その対応に没頭しかなり全速力で疾走して過ごしたけれど、そんなこんなもすべて収束し、少し自分の立ち位置を見直すことが出来る日々を過ごしている。頑張った自分から、頑張らずありのままを生きようとする自分へスイッチが切り替わった!?たぶん・・相変わらず仕事に追われているけれどささやかな日常を大事に、そんな私を支えて下さっている人たちのために少しでもお手伝いが出来ればいいな、そうこころから思っている。

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そんな日々、先月末のGW前半は久しぶりに長崎に行って「長崎さるく」ちょい旅を楽しんだ。宿はグラバー園近くのホテル。ホテルでチェックイン後、グラバー園へ。これで多分4度目かな?と過去の記憶を思い出しながら今回初の登りエレベーターで楽々旧三菱重工造船所のハウスへ。ベランダから眺める景色は変わらずに圧巻!!迫る山に押されるように広がる港。停泊する外国船。世界へ門戸を開いた長崎を改めて思い、その激動の歴史を思い、この地に懸命に生きた人たちの足跡に深く感動を覚えた。何度も訪れているのに、そんな初めて?の思いに少し戸惑う。

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その夜、ホテルの部屋の向こうに広がる夜景を眺めながら、かって訪れた長崎の日々のひとつひとつを紐解くように思い出していた。中学2年の修学旅行へ訪れた昔々。家族みんなで長崎在の友人を訪ねた日。母と姉と三人で訪れた長崎ランタン祭り、などなど。長崎には色んな思い出があり、訪れる度に全く違う感動を与えてくれた。それはこの街の度量の広さからなんだろうか。眠るのも惜しいほどにの夜だった。過去の記憶の全てをぎゅっと抱きしめて眠った。

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生きているといろんなことがある。時々対応不能な出来事に襲われこともある。重いものがどんとこころの奥底に落ちてくる。そんな時、その重さに慌てうろたえ暴走しそうになる私の弱いこころに、いつも冷静に見つめているもう一人の強い自分がブレーキをかけてくれる。ヨーガのお陰だなと思う。客観視。自分の今を客観的に見る姿勢をヨーガで学んだ。私は何をそんなに悩んでいるのか?その悩みは何から生まれているのか?渦中から少し離れた場所で問いかける自分の声を聴く。

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「悩みを抱えていると神さまは現れない」ぼんやりと観ていたテレビの対談での山田洋次監督の言葉がこころにスコンと降りた。学生時代からずっと尊敬しその作品を観続けて来た監督の言葉。小さいころから「神さまはいつも見ているよ」と言われて育った。私が大事にしてきたこころの世界は間違いないよ!と言われているような気がした。多分独りよがりの思いなのだろうけれど。

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雨の降り続ける日曜日。午後から部屋に閉じこもり、装丁&本題に惹かれて買った本「たゆたえども沈まず」(原田マハ著)を一気読みした。あの素晴らしい作品を生み出したゴッホの壮絶な生きざまに、史実を元にしたフィクションながら、ありえない設定でしょと思いながらもその世界にぐいぐいと引き込まれていった。目の前にその情景が鮮明に見えてくる。小説ってすごいな。映画は眼を開けて観る夢の世界だという。では小説は?こころの眼が観る夢の世界かな?いろんなことに感動をいただいて、こころ豊かに過ごせたらいいな。変わらずに一歩一歩。

★最近読んだ本 「たゆたえども沈まず」(原田マハ著)
★近いうちに観る予定の映画 「君の名前で僕を読んで」 ルカ・グァダニーノ監督