パザパ

パザパ pas a pas ・・・フランス語で一歩一歩。頑張らずでも一歩一歩前に進める日々を願って・・・

そうだ、直島に行こう!その2

直島への旅からあっという間に3週間が過ぎ去ってしまった。実は半年前から準備を進めてきたヨーガのイベントが、いよいよの最終段階に入りとにかく日々追われていた。ところが開催日の9月19日(月・祝)に、なんと最大級の台風が直撃との予報。「え〜〜!!」と戸惑っている暇もなく「延期!!」を即決。迅速な判断、決定、告知!ヨーガで培われた決断力が生かされて各方面へのお知らせ、お詫び、更に再度の会場申請をわずか2日でやり遂げた。ほっとして過ごす日曜日、気づいた。直島の旅報告途中だった、、、と。

そういえば、私、ベネッセハウスにお泊まりしたかったんだ!そうふっと8月の初めに思い出した。急ぎネットで空きを探したら、何と憧れのオーバルが一室だけ空いているではないか!一瞬の迷いもなくすぐにネットで予約をした。そうかぁ、私って決断力の人なんだね。

ベネッセハウス・オーバルは、ミュージアムから小さなモノレールで登っていった丘の上に建つ。モノレールのドアを開け始動スイッチを押すと、急斜面をコトコトと上り始める。やがて眼下が開け瀬戸内の海が現れた頃、到着!モノレールを降りると流れおちる水音と共に、安藤忠雄ワールドが目の前に現れる。丘の上の小さな人口滝?から階段状に水が流れ落ち、その水面には穏やかな青空が広がり、優しい風がその空を揺らしていた。

池を丸く囲むように建つオーバルには、わずか6室の部屋が配置されている。青いドアの向こうが客室で、洗濯室やパソコン室、美味しいケーキやコーヒーがいただけるラウンジもある。

青いドアを開けると、床から天井まで広がる窓に、瀬戸内の海が広がっていた。明るい陽光に輝く海が笑顔で出迎えてくれた。蔦が絡まる外のコンクリート枠が、まるで絵画を飾る額縁のように建っている。まさにこの景色がこの部屋の最高のアートそのものなのだ。時の経過と共に刻々と変わる海を、ずっとここに座って眺めていたい。波立ってはいないのではと思える静かな海を眺めていると、私のこころの海も穏やかな静けさに包まれていく。

ヨーガではこころを海に例える。海が波立つように、私たちのこころはいつも揺れ動く。表面の水面は揺れても、深い海の底はいつも変わらない静けさの中にある。揺れるこころの波にこころを捉われず、海の底のようにいつも変わらない真我にこころを向けていよう。穏やかな海はまさにヨーガの世界観に繋がっているのだと改めて気付かされる。
ベット側の壁にはベルント&ヒラ・ベッヒャー「6基の給水塔」が架けられていた。

ロープーウェイに乗り、夕陽が沈む海を眺めながら、夕食を食べるためミュージアム内のレストランに降りていく。瀬戸内の優しい海の幸をいただいた後は、夜のミュージアムを初体験する。ベネッセハウスの宿泊客のみ、館内を23時まで鑑賞できる。また昼間とは全く違った世界で、ゆっくり作品に向かい合う。夜の帳が下りた窓の外には、屋外の展示物が浮き上がるように不思議な存在感と共にそこにあった。

再びモノレールに乗って夜のオーバル戻る。水面には夜の空が、客室の青いドアが鏡絵のように写り、秋の虫たちが優しく音楽を奏でていた。昼間とは全く違う顔を見せてくれるこの建物の素晴らしさをどう形容したら良いのか、、、
窓のカーテンを全開にして眠った。眠るのがもったいなくて、夜中に何度も目を覚まして窓の向こうの闇を眺めた。うっすらと明るんでいく空を海を眺めた。また生まれ変わったかのように輝く朝の海を眺めた。そしてこの景色を決して忘れないようにと、私はこころの奥にしっかりとこの景色を閉じ込めた。

朝、屋上に続く階段を上がり、360度広がる絶景に朝の景色に挨拶をした。瀬戸内の大自然に「ありがとう!また今度は違う季節にやってくるよ!」と声を掛けた。わずか1泊だったけど、最高に贅沢な時間を過ごせた。思い切ってこの場所に来て本当に良かった。我決断にいいね!をいっぱい贈った。
次は最高の感動を味わった地中美術館について、報告しま〜す!?!