パザパ

パザパ pas a pas ・・・フランス語で一歩一歩。頑張らずでも一歩一歩前に進める日々を願って・・・

そうだ、直島に行こう!その1

夏の終わりの集大成?として、久しぶりに旅に出ようかなと思った。その瞬間に「そうだ直島に行こう!」と速攻で言葉が下りてきた。急ぎネットで直島を検索したら、「ベネッセハウス」という素敵なホテルがあることを知る。空いてる部屋を探したらベネッセハウス、オーバルに一部屋だけ空きがあった。とにかく予約だけは入れておいて後でゆっくり旅程を考えることにした。その夜「直島に行くけど一緒に行く?」と娘に尋ねたら「行く〜!!丁度瀬戸内国際芸術祭やってから、絶対行こう!」と即答。そうかぁ、ずっと以前から一度は行ってみたいと思っていた芸術祭にも行けるなんてと、我が思いつきの素晴らしさに感謝する。

岡山に一泊後、早朝電車で港へ行き、そこからフェリーで直島へ。月曜日は休島日で、乗船客も少なくて、そうかぁだからホテルも取れたのかなと今更ながら納得する。ホテルで荷物を預けて早速行動開始する。まずは草間彌生さんの作品が展示されているヴァレーギャラリーへ。

「ナルシスの庭」池に庭に無数の球体がひしめいている。近づくとその一つ一つに空が木々が見つめている私が映り、その全てが私を見つめていることに一瞬怯みながら、球体の中の無数の私に再び向かい合う。池に浮かんだ球体は風が吹くたびに、キュキュという音をぶつかり合う。1966年ベネチアで初公開され、草間彌生の名を知らしめたインスタレーション安藤忠雄氏設計のギャラリー内では降り注ぐ日の光にまた違った表情を見せてくれる。時間の経過とともに変化する様をずっと見ていたいけど、、、見ているのが少し怖い、そんな場所だった。

ベネッセハウスの循環バスでパークに移動して「杉本博司ギャラリー時の回廊」へ。杉本博司の作品を鑑賞できる世界的にも例を見ない展示施設だという。「時の回廊」という安藤建築空間に導かれ、杉本作品の世界に自然に引き込まれていく。そしてガラスの茶室「聞鳥庵」は木々の緑と空の青さに包まれて突然目の前に現れた。

杉本作品の感動を胸に瀬戸内の海が目の前に広がるベンチに座り、木々を通り過ぎる爽やかな風を、穏やかな海を全身で味わう。静かな海面に時々魚がジャンプする。鳥が果敢にダイブを繰り返す。水平線の向こうに高松の街が見える。豊かな自然こそが建物の外観であると、ここ直島を安藤忠雄が選んだ理由を体感する。ずっとここに座って海を眺めていたい。隣のベンチでずっと本を読んでいる女性がいた。読書にも最適な場所だった。次は本を持ってここに来よう。

ベネッセミュージアムへ戻る道に点在するアートたち。ジョージ・リッキー「3枚の正方形」

片瀬和夫「茶のめ」

ヴォルター・デ・マリア「見えて/見えず知って/知れず」地中美術館でも展示されているマリアの作品にこんなところで出会えるなんて。大理石の球体には瀬戸内の空が、そして近づいた私の姿が写り込み、その全てが作品になる。見えているのは一瞬の幻のようなものなのか。でもこの瞬間、確かに私には見えていた世界を私は私の記憶に刻み込む。
ホテルのチェックイン時間にはまだ少し時間があったので、ベネッセハウスミュージアムの作品たちをゆっくりと鑑賞した。
そしていよいよ今夜の宿「ベネッセハウス・オーバル」へ。続きはまた後日に。

■最近読んだ本  「ふがいない僕は空を見た」 窪 美澄著

         「ペガサスの記憶」 桐島洋子 かれん ノエル ローランド

■最近観た映画  「プアン/友達と呼ばせて」 パズ・プーンピリア監督