パザパ

パザパ pas a pas ・・・フランス語で一歩一歩。頑張らずでも一歩一歩前に進める日々を願って・・・

2015年の終わりに思うこと

なんと3か月ぶりに「パザパ」に向かい合う。ほとんど消え入りそうなブログながら、かくも長き不在の理由は?あげれば限りなくあり、でもそれはきっと言い訳に過ぎないのかもしれない。しかしこの1年益々仕事が忙しくなり、追われるように日々を過ごし、走り続け、やっとほっとしたらもう今年も終わりの時になっていた。

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全てから解放されて過ごす9日間のお休み!!でも主婦だからお正月を迎える準備に毎日大忙しで過ごしているのだけれど、台所やお風呂の汚れに格闘したり、お節の準備に台所で立ちぱなしで過ごす時間は、実は結構楽しい。ヨーガの指導って、意外に体以上に頭を遣い集中することが多いから、何にも考えずに黙々と作業に集中する時間で、スイッチが切り替えられていく気がする。博多のお節の代表格?!がめ煮の下準備をするために、ゴボウ、里芋、人参、蓮根さんたちの皮を剥いていると、この皮もったいないなぁ・・・と、思えてくる。せっかく産まれて?きたのに、ゴミに捨てられてしまうなんて。そうだ、木浦の畑のように野菜の皮をポット?に入れて堆肥にしようかな・・・そんなことを真剣に考えながら野菜さんたちと向かい合う。いつもはそんな余裕なく過ごしているから、そんな気づきにちょっとウキウキしてみたり。

f:id:chezk087:20151230222902j:plain今年は本当にいろんなことがあったなぁ。家人も寝て静かになった居間で、猫ちゃんふたり?!しみじみと振り返る。一番はやっぱり息子のお嫁ちゃんのことかな。随分随分心配した。いっぱいいっぱい祈った。姑って寂しいね。そんなことしかできないわが身に何度も自問を続け、涙したこともあったっけ。でも神さまに思い通じ、ではなくて彼女の頑張りが実を結び、命が輝きをさらに増すことが出来た。逆境に何を学び、次のステップに繋げるか、彼女から学んだ1年だった。

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4月から始まったがんセンターでの患者さん対象のヨーガ教室も彼女のことがあったから頑張れた気がする。入院患者さん対象の教室なので毎回参加者が変わり、その方たちの症状も異なる。準備したことが通用せず、ヨーガ療法士としての自分の資質が問われる時間は、実は緊張の連続だった。でも、私の一言一言に懸命に耳を傾け、答えて下さる患者さんの姿を目にすると、大きな責務を感じる。そして教えられる。こんな私でも役に立てることがある、頑張らなくては!と。

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今年はがんセンターだけではなく、長い間避けてきたスポーツクラブでの指導も再開した。表向き元気そうな皆さんも結構いろいろありかなと思いながら、スポーツクラブでは体よりこころへのアプローチも試みながら、元気でピンコロ??ではないけれど、未病への指導も私の仕事かなと思っている。

 

母は相変わらず機械に繋がれ、食べる楽しみも喋る楽しみも失われたまま、来る新年も今年同様病院で迎える。だから新年が明けたら母の病院へ行く。今年は大雪で片道5時間近くかかったけれど、新年は今のところお天気にも恵まれそうだから、スムーズかな・・・

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2015年、大変だったけれど、忘れられない年になった。「災い転じて福となす」結局何を掴むかだよね。夕方見ていたTVで徹子さんが言ってた言葉・・「優」・・・どんな相手でもまずは理解すること。それぞまさにヨーガ療法士に一番大切な言葉。いただきました~!!来年は「優」一層優しい自分でいたい。で、今できることを全力で尽くす!そんな姿勢は変わらず、不器用だけど懸命に生き尽くす。ありがとう、2016年。

明日から始まる2016年、またどんな出会いや感動が待ち受けているか、楽しみにしながら変わらずの一歩一歩・・・・・

 

 

命について考えた・・・

昨日はお彼岸、そして今日は敬老の日、明日は国民の休日(?)明後日は秋分の日。土曜日を入れたら5連休、なんでもシルバーウィークというらしい。何とか仕事を調整し2日のお休みが取れたので、母に会いに別府へ行き、ご先祖様に会いに4か月振りに村へ。フルに時間を使って移動し、体を使って働き、忙しかったけれど、中身の濃い2日間を過ごした。

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2週間前は「かえる!」と何度も声を無くした声で叫んでいた母は、目を開けるのも辛そうに眠り続けていた。「お墓に行って掃除して、お母さんのことちゃんとお父さんにお願いして来るけんね」そう耳元で言ったら、ちょっとだけ頷いた気がしたけれど。

少し重いこころを抱え山里へ向かった。久しぶりの実家は、住む主のいない家は、そこかしこに主のいない痛みが見えて、気持ちが少し重くなった。掃除機をかけ、汚れを磨き、覆っていた不在の沈殿ベールを拭い去る作業に汗を流した。「お母さん、あなたのいない家は、少しづつ綻んでいるよ。でも、大丈夫。私たちがきっと守るから。」気が付けば病院にいる母にずっと語り続けていた。

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そして、お墓に行く。枯葉を掃き出し、墓石を磨き、蝋燭を立て線香を手向け、静かに手を合わせる。「お母さんがこころ穏やかに最期の時を過ごし、あなたたちの元に旅立てますように・・・」懸命に祈った。生と死の交わりの場所で、真っ赤な彼岸花が静かに咲いていた。

夜は私の手料理で、久しぶりに会った弟夫婦と母について、これからについて、ゆっくりと語り合い、山里の夜は更けていった。母のベットがある座敷に布団を敷いて一人眠った。こんな夜は初めてだわと思いながら、母がトイレに起きる度に目覚めていた夜を懐かしく思い出していた。もう家に帰ることはできませんと言った医者の言葉を思いだし、もうこの場所に帰れない母を想いながら。やがて川の音を子守唄に、いつの間にか深い眠りに落ちていった。相変わらずの悲しみを抱えながら・・・
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母の昼間の面会時間に間に合うように、前ん畑の草を大急ぎで鎌を手に片付けてから、里山を後にして、再び病院へ向かった。母は目を開けてちゃんと私を見つめてくれた。母を抱きかかえるようにして、背中をさすり続けた。
「お母さん、ありがと。私を産んでくれてありがと。育ててくれてありがと。」母への感謝の思いが溢れ、涙が止まらなくなった。泣いてはいけないと姉に言われていたのに。「ごめんね。お母さん、泣いてしまって」そう言うと母は静かに頷いてくれた。
願うのは母が最期の時まで、こころ穏やかに過ごしてくれることだけ。命について考える。私の家族、私の親しい人たち、そして私自身の命。すべてに始まりがあり、やがて終わりがある。命も同じ。始まりも終わりも選べないし決められない。だとしたら、その日まで悔いなく生きるしかない。月並みだけど、今を生きる。懸命に生きる。
命について懸命に考えたささやかな休日の二日間が終わった。明日からまた仕事に追われる日々が始まる。しばらくは必要とされる場所がある今を生きるしかない。
悲しみを抱えながら、涙をぬぐいながら、今週も今を懸命に一歩一歩。

■彼岸花が咲く日に・・・

葉知らずの花が咲き、その花が散った後、花知らずの葉が出でる。互いに出会うことはない、悲しい?花、彼岸花が咲く日。気が付けばもう9月も後半へ折り返している。
日本列島は過酷な自然災害に揺さぶられ、痛めつけられ、そして残暑もなにもないままに、季節は一気に移り逝く。テレビのニュースに胸を痛め、相変わらず祈るしかできない無力な我を抱える日々。
この夏、私は何したっけ?夏を振り返る宵。
そうだ、8月末、1泊2日で京都を歩いた、いや走った?と、言ったほうがよいかも。ささやかな夏休みを仲間3人と、つまりおばさん4人旅を楽しんだ。

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いきなりの蕎麦写真ですが、朝7時半の新幹線に乗ると、お昼は京都でランチが全然オーケーの博多の地の利!改めて感謝しつつ、今回のお昼は烏丸御池にある蕎麦屋「本家尾張屋」でいただく。創業500年、応仁の乱の頃、団子屋として創業し、江戸時代中期(1700年頃)に蕎麦屋を始めたという老舗でお勧めの「宝来蕎麦」。五種の異なる薬味でいただく蕎麦。大満足でした。食べても食べてももっと食べたいと思える、そう飽きない味はすごい!!蕎麦も出汁も文句なしに美味い!!
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まずは快調な滑り出し。足取りも軽く宿泊先のホテルに荷物を預け、龍安寺へ。雨に濡れた道を歩く。鮮やかな緑の紅葉(もみじ)にこころ洗われる。池には蓮の花が咲き、木々はしっとりと雨に濡れ、生き生きと輝いて見える。かって何度が訪れたことがある場所ながら、訪れた時によって異なった顔を見せてくれる。四季のある日本だからこその至福の時間に浸る。ずっぽりと浸る。
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龍安寺のお庭は、外国人旅行者で一杯だった。4度目のお庭ながら、そんな景色も初めて。彼らは座し、じっと庭を見つめる、日本人と同じように。500年以上も前に作られた枯山水の庭。日本人の美意識は本当にすごいなぁ!!と、改めて思う。かっていろんな国に旅したけれど、こんな庭はこの国しかない。そうだ、彼らの感想?を聞いてみればよかったな。

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京都はやはり日本人の魂の原点が、今も脈々と生き続けている場所なんだと改めて思う。その後訪れた大徳寺大仙院でも、その庭の素晴らしさに加え、ご住職のご講話に感動。「気を長~く、こころ丸く、腹を立てず、人を大きく、己は小さく・・・」禅の教えはヨガ道とおんなじ。こころ真ん丸になりました。いいなぁ!やっぱ京都は。こころが洗われます。ほんとに。
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こころ洗われた後はお腹が空く!これまた歴史刻む今宮神社の参道にある店で「あぶり餅」をいただく。きな粉をまぶした餅を炭火で炙った後、白味噌のたれをぬった餅菓子は、思いのほか美味しくて、ほっこり和む。平安時代からある日本最古の和菓子屋さんだとか。そんな遠い遠い昔のかっての日々の賑わいを想像しながら、立ち止まり、振り返って、時空を超えた世界に一瞬身を置いて・・・・
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四条河原町にバスで移動して、定番ながら三条にある「イノダコーヒー本店」へ。私の敬愛する高倉健さんも通ったお店。今から40年以上前の大学時代から、深夜バスで東京から京都に何度か通った。で、必ずイノダでコーヒー飲んだなぁ。懐かしい場所は、あいにく満席状態で狭い部屋でのコーヒータイムだったけれど。この場所で過ごした昔々を思い出し、今の私を思い、これからの私を思い、美味しいコーヒーをいただいた。
夜はかって何度か行ったことのある「くし蔵」でお腹いっぱいの夕餉。ホテルに戻ってからは女子会!?いいね。日常から離れる時間は、やっぱいいね。
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京都旅2日目。朝6時起床で7時にはホテルでお粥の朝食後、京都御所へ。御所見学は2度目。残念ながら今回の案内人は、愛想もなくこころもなく、マニュアル通りの案内で、がっかりだった!!案内人によって旅の一コマはいかようにも変わる!!こころ尽くして思い伝える・・・いつもって無理なんだろうか。

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気を取り直して、急ぎ鞍馬へ。鞍馬寺へ昇るケーブルあるからと渋る仲間を誘ったもののケーブルはなぜか運休。ならば歩くしかない。鞍馬寺への道は30分。めげそうになる仲間を励まし?、どんどん先を歩き、到着!!二度目の鞍馬寺は相変わらず期待を裏切らないパワーで溢れていた。むしろパワーアップしたくらい。緑いっぱいの山々からのパワーいっぱいスポットでエネルギー充電!!
下り坂は雨に濡れた階段ゆえに滑らないように慎重に降りる。半端なく力入り、間違いない明日は筋肉痛に!山を降り、川床料理屋からのお迎えの車で、「貴船茶屋」へ。雨ゆえに川床ではないお座敷でお食事をいただいた。窓の外は雨。木々は雨に濡れ緑いや増す世界は、まるで緑のプールの中にすっぽりともぐりこんでいるかのような不思議な感覚に包まれながら、ゆっくりいただいたお料理の数々。中でも鮎、美味しかったなぁ。女将さんも若女将も笑顔が素敵で、大満足の「貴船茶屋」でした。

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戻って来た下界?鴨川の岸では川床(かわゆか)料理屋が提灯の明かりと共に京の夕暮れを彩っていた。錦市場から四条の橋を散策して、お茶屋さんで初めての味、抹茶ラテを味わい、お買いものも楽しんで、1泊2日短いけれどかなり濃厚な京都の旅を無事に終了。1日ほぼ1万5千歩。2日間でなんと三千歩歩いた駆け足旅でした。
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日常から離れこころ遊ばせたプチ旅。たまにはいいよね!戻って来た日常はこころ快晴!?!こころの洗濯旅、大満足!でした。
それもこれも楽しい仲間のお蔭。仲間に感謝!私の感性アンテナに感謝!
いろんなことが起こる。頭抱えてうずくまる時もある。でもまた立ち上がる力もある。こころの栄養も大事。さぁ、もうに後半に差し掛かった9月では、どんなこころ遊ばせる時間あるかな。変わらずの一歩一歩。

★最近観た映画 「ミッションインポッシブル」トムクルーズ主演

★最近読んだ本 「流」東山 彰良 著    
        「命の格差は止められるか」 イチロー・カワチ 著
★今 読んでる本 「第2図書係補佐」  又吉 直樹 著

★最近はまっている雑誌 「つるとはな」発行人 佐藤 真  編集人 岡戸 絹代

 

 

 

 

 

 

 

こころ尽くせばきっと伝わる・・・・

博多の街は山笠が終われば夏が来る!という決まり?があるのだけれど、今年は山笠が終わっても梅雨明けず、季節外れの台風もありで、お天気読めないまま気が付けば7月も残り10日ちょっとになってしまった。かぁ~と晴れたと思ったら、突然の雨雲、そして突然の雨。不安定な気候が続いている。

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ヨーガの指導者として相変わらず忙しい日々、加えて母の病状の悪化もありで、そういえば最近お友達とのランチも、遠出のドライブも、気ままな旅も、いわゆるお楽しみの時間が全くなくなっている。知人から届いたバリの写真を眺め、バリかぁ・・・と呟き、バリの風を想像してみる。そんな今を少し寂しいと思う気持ちも正直あるのだけれど、それ以上に、この歳になっても、必要とされてる場所があり、私を必要と思ってくれる人がいて、それって幸せなんだなぁと改めて思う。
かっての日々自分が好きなように勝手気ままに生きてきた私だったから、晩年?は人のために生きなさいと、神さまがきっと言ってるんだろうな、最近つくづくそう思う。

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月に2度、九州がんセンターでがんの患者さんにヨーガ療法を指導する日々が今年の4月から始まった。参加される方のほとんどが入院患者さんで、毎回初めて参加される方が多く、その指導方法を毎回模索する日々が続いている。抗がん剤の投与でその副作用と闘っている方、手術後の体の痛みを抱えている方など、懸命に今、がんと闘っていらっしゃる患者さんに、私のヨーガ療法がどれだけお役に立てるのか、自問しつつ、こころを砕き、参加して下さったみなさんを見つめながら、懸命の指導を続けている。

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元気パワー全開で臨む私ながら、それでも指導中時々気持ちがくじけそうになる時がある。体の不調が明らかに見える患者さんがいたり、私の問いかけが届いていないんでは?と思うと、実に情けないことに私はとても不安になる。こんな指導でいいんだろうか??間違ってない??戸惑い始めると必ずもう一人の私が現れる。「和子さん、かなり焦ってますね!誰か代わって欲しいって今思ってますね?!でも残念ながらそんな人はいないんです。そう、あなたしかいない!!頑張りましょ!」
その声が聞こえると私ははっと気持ちを立て直す。迷っている場合じゃない!!とにかく懸命にこころを尽くそう!そう気持ちを切り替え、そして再び指導に集中をする。そんな私の情けない一面を話すと、私のヘルプで参加してくれている後輩の療法士さんから、「え~!?全然そんな風には見えないです」と言われる。実はとても繊細で気弱な人なんです!!私は。

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 「こころが軽くなりました。」「リラクゼーションの意味を初めて知りました。」「体もこころも温かくなりました。」教室が終わり、参加されたみなさんから寄せられる言葉が、笑顔が最高のご褒美。こんな私でもお役に立てたことが、本当に嬉しくて、また頑張ろう!といっぱい背中を押してくれる。こころ尽くせばきっと伝わる!・・・そう思う。本当にそう思う。

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三連休の最終日、久しぶりに夫とお出かけした博多駅丸善で本を2冊購入。今更ながらのスムージー本は、夏になると食欲減退する自分のために、朝食は野菜や果物いっぱいのスムージーで乗り越えようという思惑ありで。古井由吉さんはもう何十年も追いかけてきた作家のひとり。言葉の深さと美しさを教えてくれた人。一字一句大切に読み進んでいこう。

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夏休みはいつも母が住むあの村に帰っていた。あの家で祖父を送り、父を送り、祖母を送った母は、今は別府の病院にいる。去年は母を連れて帰れたあの家に、今年は母と一緒に帰れるだろうか??もうすっかり弱って、立ち上がることも出来なくなったから、帰るのは無理かもしれないな。悲しいね。命を想う。そうだ、お墓のお掃除に帰らなくては。
いろんなことを受け止めて、前に進まなくてはと、自分を励まし、訪れた暑い夏を始める。そう・・・・こころ尽くせばきっと伝わる・・・今週も変わらずの一歩一歩。

あなたのことを想っています。

梅雨真っ盛りの6月を「水無月(みなづき)」とは、なぜ??調べたら「無(な)」は連帯助詞の「の」を意味して「水の月」という意味だとか。なるほど・・・・で、梅本番の今、九州南部は大雨が続いているけれど、北部の福岡ではあまり雨も降らず、湿度も高くない日々が続いている。でも今日は雨。そして気が付けばすでに7月、文月。今年も半分が過ぎ去ってしまった。博多の街は飾り山の時を迎え、これから祭り一色の夏へ騎り始める。

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自分の今と静かに向かい合う「パザパ」時間を、出来るだけ持ちたいと願いながら、結局6月は一度も更新できずに終わってしまった。忙しいヨーガライフに加え、高齢の母がまた再びの肺炎で、ここ一か月ほど仕事のない日&月曜日は。母が入院する別府の病院に通い続けていた。母の症状は相変わらず予断を許さない不安定な状態が続いているが、「今週末は来なくて大丈夫だよ」との姉の言葉に甘え、昨日の日曜日はほとんど一か月ぶりにゆったりとした休日を過ごすことが出来た。さて、溜まった家事を片付けて、ゆっくり読書をして・・・・と、張り切っていたのに、どうしたんだろう?鉛のように体が重い。眠い。さすがの私もついにダウンか?!結局なんにもできないまま、ひたすら眠り続けた。こんなに眠ったのはいつ以来だろう??で、あっという間に日曜日が終わった。

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やっと復活した夜、「そうだ今日は父の命日だった」と気づいた。今から17年前の父の日の夜、父の日に送ったプレゼントのお礼の電話が父からかかってきた。「ありがとう」・・・・腎臓がんの手術後人工透析の日々となってから、父の声はか細くなって、会話も短くなっていた。そしてそれが父の声を聴いた最後だった。
2週間後の7月5日の早朝、隣に寝ていた母も気づかないまま眠るように旅立った。
公務員で、経理の課長と務めていた父は、とにかく几帳面な性格で、なんでもきちんと整理し、ノートに細かに記録していた。大学時代、親元から離れて暮らしていた時もまめに手紙をくれたのは父であった。そしてとにかくお酒が大好きで、酔うと踊ったり歌ったり、陽気な父に変身していた。そんな酔っ払いの父が嫌いだと思った時もあったな。

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でもそんな父の気質をそのまんま受け継いでいる私がここにいる。おおざっぱな自分の中に結構几帳面な自分がいたり、書くことは嫌いじゃないし、もちろんお酒も強い!ただイケメン?の父に比べたら顔のパーツは全く似てないけれど。
「どうかお母さんの症状が少しでも楽になりますように!笑顔が見えますように!」眠る前、ここんとこずっと夢に現れない父に、そうお願いした。

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 そんな父が生前溺愛していた孫、つまり私の息子が信じられない偉業?を成し遂げた。京都比叡山で開催された「比叡山トレイルラン」に初挑戦し、なんと完走。参加者のほぼ半数が完走を果たせなかった過酷なレースで、順位409番、11時間という制限時間の33秒前のゴールだった。ダントツビリながらその凄まじい挑戦の一部始終を記した記事が、トレイルラン専門誌「RUN+TRAIL」に掲載された。
私と同じく運動神経ゼロ!体を動かすなんて無縁の世界にあった息子が、信じられないほどの過酷な世界に挑戦をし、ボロボロながら完走した。すごいね!きっと天国の父もそう思っているよね。
人はね、その気になって懸命に頑張ったら、何でも出来るんだね。でもその人を支えてくれる人とか、その人の大事な人への想いとかあるから頑張れるんだよね。母から父(祖父)へ、祖父から孫へ、そしてその家族へ、関わっているみんなへ・・・熱いメッセージが繋がっていくことを想う。

久しぶりの「pas a pas  パザパ」。庭に実る夏野菜の写真と共に、私や私の家族や私を支え励まして下さっているみんなに、感謝の気持ちいいっぱいいっぱい抱いて、今週も頑張ります!!変わらずの一歩一歩。

でも、私は負けない・・・・

先週末は神戸、大阪、京都の三都物語(かなり古い?!)の人だった。神戸は年に1度のヨーガ療法学会出席のため、大阪は学会終わった夜のお泊りで、京都はついでながらのちょい観光で、姉と二人、3泊4日の旅を楽しんだ。

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しかし学会は本当に中身が濃い!!今回は「がんと向き合う~ヨーガ療法の可能性」というメインテーマで、アメリカのMDアンダーソンがんセンターのコーエン教授をはじめとしたがん医療の研究者の方々の実に貴重な講演に、まさに学びの2日間を過ごした。

朝8時から夕方6時近くまでびっしりと講義や発表が続き、頭いっぱいいっぱいで理解力追いつかず集中力も途切れつつ、時折襲ってくる眠気とも闘い、ある意味ヨーガ修行の場でもある。
今年4月からがんセンターのがん患者さんに定期的にヨーガ療法指導を行っている身としては、先生方の講義すべてが実に深いところに響いてくる。その一言一言を聞き洩らさないように、必死でノートを取り続けた。

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がんは今や生活習慣病のひとつに数えられ、高齢化が進む今、人が一生涯の内でがんに罹る確率は男性では2人に1人、女性では3人に1人だと言われている。しかしがんは医学の進歩により早期発見早期治療を行えば、恐れる病ではなくなった。

そんながん患者さんの身体的健康、こころの健康、そして精神的健康向上にヨーガが役立つことを、コーエン先生は研究論文で詳しくお話しして下さった。特にヨーガを行うことで、治療に伴うストレスホルモン、コルチゾールの分泌を軽減する効果が大きく、それがつまり、がんを発症しても死に至らない、生存率を高めることに繋がっているという。つまり病気になっても病人にならない力をヨーガは与えてくれるのだ。

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ヨーガ療法がいかにがん患者さんのQOLを高めることに効果があるか、現場での指導で実感をしているものの、確かなエビデンスを元にした先生方の講義は、私の背中をしっかりと押して下さり、さらに前に進む力を与えて下さるものであった。

この学会で症例報告を行い卒業する後輩療法士たちの発表のお手伝いをしながら、4年前、札幌の学会で壇上発表をした日のことを思い出していた。あの時の必死な思いを今も私はなくしていないか?後輩たちの懸命な眼差しに、またきっと学会で症例発表出来るような仕事しなくては!!そう改めて思った。ヨーガ療法士としての原点に立ち戻る・・・・学会はそんな場所かもしれない、そう改めて思った。

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2日間の学会が終わった夜は大阪へ移動して、しっかりと道頓堀の大阪グルメを味わった。串カツ&たこ焼き!食い倒れ大阪を満喫。しかしなんでこんなに多いん外国人!!串カツ屋「だるま」の行列も、「あっちち本舗」のたこ焼き屋の行列も並んでいた人の多くは外国人、しかも中国人&韓国人!恐るべしツイッター威力!

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最終日は京都へ!「春の非公開文化財特別公開」の時ゆえに、下鴨神社と、廬山寺の2か所のみに絞って散策した。下鴨神社では公開された神さまの食事を調理した建物のお供えや調理器具を眼にし、悠久の歴史にこころを躍らせた後、世界遺産の新緑に萌える森をゆっくりと散策した。真っ青な空に萌える新緑!最高のお散歩だった。
紫式部源氏物語を執筆したといわれる廬山寺では、特別公開の元三大師坐像や御前鬼大師像を拝顔し、こころ洗われる時間を過ごした。
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お昼は祇園で美味しい京料理をお腹はち切れるほどいただき、四条河原町のデパートでしっかりと可愛いパーカーも買い、すごい人で大賑わいの錦市場もそぞろ歩き、僅か6時間にも満たない滞在ながら、めいっぱい動き回り、かなり充実した京都の休日を過ごすことが出来た。

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もちろん帰りの新幹線では買い求めた東海道新幹線弁当を食べて即爆睡!スイッチオン&オフ。巧みな切り替えが出来るから、こんなに元気なんだと改めて思う。それもこれもヨーガのお蔭。
相変わらず毎日、頭を抱え込みたくなるようなことが次々に起きて、休む暇のない日々が続いている。落ち込むことも多いけれど、落ち込んで止まっている暇がない。だから、とにかく歩くしかない。こころを奮い立たせ次の一歩を始めるしかない。大きな試練の時が訪れているのを感じる。でも私は負けない!!
今週も一歩一歩、一日一日を大切に生きていこう。
今月末に予定していたカイラス山の巡礼の旅は、ネパールの大地震のため中止になった。彼の地の平安を祈るばかり。

☆最近読んだ本  「獣の奏者」 Ⅰ~Ⅳ  上橋 菜穂子著

 

 

万緑のときを迎えて

桜を見送ってから早くも1か月近い日々が過ぎ去り、すでに4月も終わりを迎えている。新緑に野山萌え、まさに覆い尽くすさまを「万緑 ばんりょく」というらしい。春から一気に初夏へ。
ここ福岡も快晴続きのピーカン日和が続き、夏日を早くも更新した日曜日。やっと仕事&雑事から解放される久しぶりの日曜日は、出来るだけグータラにひたすら惰眠をむさぼるのが何よりの幸せ。そんな幸せも最近はとんとご無沙汰の状態で、日曜日は朝から月に一度、ヨーガ療法士を目指して学ぶ後輩たちのお手伝いに参加。
所属するスタジオの会員さんが勉強をされていることもあり、もう1年以上お手伝いをしている。ここんとこずっと日曜日は用事があって家人の相手?も出来ずだったので、今日は午前中のみのお手伝いで帰らせてもらった。

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で、お昼は博多湾近くの魚市場の側にあるお魚会館で、お寿司三昧!満幅のお腹を抱えながら会館裏まで足を伸ばし春爛漫の海を眺める。眩しいほどの日差しの中、真っ青な空と溶け込む海は限りなく春色。

満腹になったら次はそれを消費しなくては!!とばかり今度は山へ向かう。海も山も車で30分で移動できる福岡は1日で両方を十分に味わえる地の利は自慢してもいいかな。

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向かったのはいつもながらの油山市民の森。上の駐車場はすでに満杯で下の駐車場に車を停め、足に重りを装着し、リュックに水や飴を入れていざ出発!!しかし暑い!日陰を探して歩く。上の駐車場では鯉のぼりが真っ青な空に心地よさそうに泳いでいた。「そうかぁ、皐月の時だよね」

「油山山頂まで登ってみる?」「いいけど・・・」やや渋の夫の返事ながら山頂への道を歩き始める。どこを見ても萌えるような緑に覆われて、まさに万緑!!整備された登り道ながら結構勾配がきつく、重りを付けた足は一層重くなる。何度も汗をぬぐい水分補給をする。頂上までの道を三分の一登ったところで夫がギブアップ。この暑さでは仕方ないと無理せず下る道へ。

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この下りも結構急で、膝を痛めないように注意しながらやっと市民の森へ降り立つ。後は油山牧場まで行ってソフトクリームを食べ、また万緑の中ゆっくり歩いて駐車場へ。結局約2時間ちょっとの山歩きだった。暑い日差しの午後だったから、これくらいで良しだよね!と思い直しながら、重りを外したら雲の上を歩いているかのように?軽~くなった。2年前インドの聖地ガンゴトリーからゴームクの高地へ行き、地上?に戻った時のあの軽さを思い出した。

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実は5月末にネパールの北西の中国チベット自治区にある聖地カイラス巡礼の旅に出かけることになっている。標高6656mのカイラス山は神が宿る信仰の山として登頂は出来ないけれどカイラス山の周り(52km)を2泊3日で回る。標高4,520mから地上の半分しか酸素がない標高5,650mまで歩く旅。ヒンズー教徒やラマ仏教徒、そしてボン教徒にとってまさに聖地中の聖地。私は何教徒でもない。でも神が宿る山を見てみたいし、神に近づく場所に身を置いてみたいという思いから、この旅に参加することを今年の初めに決めた。
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そして後1か月とそんな旅が迫ったところで、信じられないようなネパール大地震が起きた。その被害は日々が過ぎ去るごとに拡大している。ずっとTVのニュースから目を離せない日々が続いている。そして祈り続けている。
出来れば1か月後、カトマンズを経て聖地カイラスへ至り、聖地巡礼の旅を成し遂げたい!!それは己の我ではなく、抱えてる人たちの救いと繋がる旅であるかと思うから。
本当にそうなのか?こんな時期に無理をしていく意味があるのか?自問する。そして何よりも被災された人たちが一日も早く心休まる夜を迎えられますように。
祈るのみ。願うのみ。そんな揺れ動く思いを抱えながら、とにかく一日一日を丁寧に、変わらずの一歩一歩。