パザパ

パザパ pas a pas ・・・フランス語で一歩一歩。頑張らずでも一歩一歩前に進める日々を願って・・・

フィンランドというと・・・・その4 最終章

フィンランドで一番行ってみたいところは?と聞かれたら、「森!」と即答する。そのこころは?まずは村上春樹氏の「ノルウェーの森」、映画「かもめ食堂」といったミーハー的な発想から。いや、それ以上に小さい時から夏休みは祖父母の家がある大分の山里で過ごした私には、森は私のこころの故郷だから。かって、九州の森しか知らなかった私が、初めて行った軽井沢の森のあまりもの違いに驚き、感動したことがあった。だから「かもめ食堂」でマサコさんが行ったフィンランドの森へ、私も絶対行ってみたい~!!ずっとそう思っていた。ワクワクドキドキ、高鳴る胸を抱え、一番行きたかった場所に滞在5日目にやっと行くことが出来た。

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まず前日に最寄駅(Espoo)からヌクーシオ国立公園近くを通るバスの時間を調べに観光案内所に行った。案内所の人はとても親切にバスの時間割をコピーして下さった。個人で気ままに動くにはそれ相当の準備必要!!翌朝、いつも以上に早起きして準備しヘルシンキ中央駅に向かう。まずEspoo駅までの切符を買わなくては!!近郊だから自販機で買えるはずと思いつつ、探すこと5分結局わからず、通りがかりの人に聞いて、その自販機がなんとホームにあることを教えてもらう。え?切符なしにホームに入れるの?確かに改札はどこにもない。

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かって旅したフランスと同じだわ。で、ホームの端にある自販機と格闘しているとすぐに助っ人が現れて手伝って下さる。「キートス!!(ありがとう)」を連呼してお礼を言う。でも、乗り場の14番ホームがない!!なんと14番線は駅の外?にあり、やっと発車ギリギリ滑り込みセーフで乗り込む。あれ?!車内にカードリーダーがあり!なーんだ、近郊の電車ゆえに、購入したフリーパスが使えたんだ!駅到着から20分以上かかってやっと乗れた電車。ほっとして座る。まぁこういった苦労がずっと忘れない旅の思い出の華になるんだよね。

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車内アナウンスも何もないから、ぼーっとする間もなく停車駅を数え、「次はEspooですか?」と周りの人に聞いて無事にEspooで下車!第一関門突破!
駅構内のキオスクにあるトイレを借りつつ、森で食べるサンドイッチ購入し、ヌクーシオ国立公園行きのバス乗り場を聞く。とても親切に対応してくれた青年から「どこの国?」と聞かれたので、「日本だよ」と応えると、「自分は去年まで東京の新大久保で生活していたんだよ!」と。「え!新大久保!マジっすか!」(英語直訳?!)ヘルシンキ郊外の小さな駅のキオスクでまさかの「新大久保」の話に盛り上がるなんて!
そんな時間を過ごしたお蔭で?バスの時間に間に合わず、次のバスを30分近く待つことになる。まぁ、急ぐ必要はない、ゆっくりとバスを待つ。快晴の空は青く、限りなく青い。

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やっとバスに乗り込み、運転手さんに「Haukkalammentieに着いたら知らせて下さい」とお願いをする。(発音出来ないのでバス停の名を書いた紙を見せつつ)バスは緑の世界が深くなっていく道をひたすら走る。30分後、「次ですよ!」運転手さんに教えていただいて下車。道に立っていた表示に沿って左折し、国立公園へ続く道を歩き始める。

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道沿いに数軒の人家を眺めた後、やがてすっかり緑のみの道となり、道に咲く小さな草花を愛でつつ、とにかく歩き続ける。その間誰にも出会わない。本当にこの道でいいのかな?やや不安な思いを抱えつつ、私の前にずっと続く道をひたすら歩く。

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「着いたぁ~!」歩くこと約20分で公園入口に無事に到着!!案内所でパンフレットを貰いトイレに行って、いざ森へ!!公園散策には最短は約2キロ、1時間半のプナリンタ・ハイキングコース(赤)、4キロ2時間半のハウカランピ・ハイキングコース(青)、7キロ4時間のコルッピ・ハイキングコース(黄)があって、木に記されたそれぞれの色をたどって。私は2時間半のアウカランピコースを歩きたったけれど、結局相方の意見を優先して最短コースをゆっくり歩くことにする。

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森は湖の周りに広がっている。ため息が出るような美しい景色に何度も見惚れて立ち止まる。空は限りなく青く、湖は実に複雑な水色に幾重にも染まっている。湖の深い青と空の優しい青と木々の様々な緑と、信じられないほどの自然が見せる美しさを、何とかして画布に描きたくて、画家は必死で絵筆を握ったのだろう。

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湖のほとりで持参したサンドイッチを食べながら、この最高の景色の全てを私の記憶に刻み込もうと、五感を駆使して今を必死で抱き締めた。カモメの鳴く高い声が聞こえる。心地よい風に揺れる葉がさわさわと優しい音を奏でる。湖面に幾重もの輪が広がりやがて消えていく。作曲家はこの自然の奏でる音を何とか五線譜に写し取ろうとしたのかもしれないな。でも、どんな名画も名曲も、この自然には敵わない。そう初めて思った。

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 森は限りなく深く、でも不思議な力で私たちを包み込んでくれる。ムーミンが産まれた森。そこに私がいて、今、そのエネルギーを体感して、満たされていく。自分が解放されていく!!

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ブルーベリーが実り大きくなるには少し早かったけれど、摘まんでやや甘酸っぱい味を楽しみながら歩く。その一歩一歩をワクワクするこころを抱えながら歩いた。「私、フィンランドの森を歩いているんだよ!」このまま時間が止まって欲しい!そう何度も思いながら・・・

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いろんな種類のきのこもいっぱい出会った。2時間以上森を堪能し、公園の入り口に戻る。まだもう少しここにいたいよ~!!と叫んでいるこころを抱え、また来た道を戻る。森のエネルギーをいっぱいいただいたから足取りは軽い。牛さんの群れに出会ったり。
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途中でまさかの日本人家族連れに出会い、「この道で大丈夫ですか??」不安げな彼らを励ましつつまた降り立ったバス停へ向かう。数分待ってEpoo行のバスに乗り、Epoo駅へ。ヘルシンキ行き電車が出るホームはわかったけれど、切符を買う術もわからずうろうろしていたら、「どこに行きますか?」と青年が声をかけてくれた。「ヘルシンキ」と応えると「この階段を下りて電車に乗ったらいいですよ。」「でも切符買ってないし」「今バスに乗ってたでしょ。そのバスのチケットがあったら、電車代は無料なんですよ」「へぇ~!!」結局、その親切な青年のお蔭で無事に電車の乗ることが出来た。

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行きに比べると少し混んでいた車内でさっきの青年と同じ座席になる。「日本の方ですよね!日本のどこから来られましたか?」「去年日本の静岡に行きました。今年の秋は大阪に行きたいと思っています。」日本の南九州福岡から来たことを告げ、ヘルシンキへ戻る電車では日本大好きのイケメン青年と語り合うことになる。ハリウッド映画より日本の東宝映画が好きで、特に「ゴジラ」が大好きという青年。ハリウッド映画よりフィンランドアキ・カウリスマキの世界が好きという私。私のかなり下手な英語の会話ながらお互い変な人だよね!!という結論?に達しつつ楽しい時間を過ごし、あっという間にヘルシンキ中央駅へ到着。

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暮れない街は今日も元気で、あの森が嘘のように活気に溢れていた。良い一日だったなぁ~!森での想いにもう少し浸りたくて、すぐホテルに戻る気にならず、駅前広場沿いのオープンカフェで道行く人を眺めながら、こころは森に残したまま、楽しかった今日を祝して?ワインで乾杯!!(即、一杯のワインが回り写真撮り忘れ・・・)
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一番行きたかった場所へ自分で行くことが出来た。そして森のエネルギーをいっぱい充電?することが出来た。相方の思いに応えての旅ながら、振り返れば結局私が行きたったところに行った旅だったな。

「強い思いがあれば道は拓ける!!大事なのはいかに思いを強く抱き続けることが出来るか。」これからの私の生き方を教えてくれる旅でもあったなぁ。
帰って来た日からここ福岡は灼熱の日々が続いている。はっきり言ってかなり夏バテ!!そんな時だからこそ一層森を想う。ヘルシンキで過ごした1週間を想う。今度はどこに行ってどんな素晴らしい時間を過ごそうか?!そのためにも日々を大切に、体とこころを整えて一歩一歩・・・・ですね!!

フィンランドというと・・・・その3

3日目は隣国?!バルト三国エストニアのタリンへ、大きなフェリーに乗って遠出をした。トラムに乗ってヘルシンキの西南端にあるランシターミナルまで行き、乗船の手続きをして、長い列に並び乗船を待つ。そこでご高齢のご両親を連れた日本人女性に出会う。札幌から80歳代のご両親を連れて1か月近く、北欧からイタリアまで旅をするという。そのご両親の元気なこと。一年に一度1か月近い海外への旅に出るのが何よりの楽しみだという。亡くなった母を想い、歳をとっても足腰が丈夫が一番だな!!と改めて思う。
そしてなによりもその旅の全てをコーディネイトしている娘さん!!本当に凄い!!

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乗船した船は巨大なレストランビル?のように、各階に様々なレストランやバーや遊技場がある。取りあえずはゆったりとした椅子で静かな場所を選んで座る。あっという間に周りの席が埋まっていく。見渡すとほとんどの人が家族連れで賑やかに会話をしながら飲み、食べ!!まぁとにかくみんな元気!!

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船首にあるバーラウンジではバンドの生演奏が始まっていた。私は静かにビールと軽いツマミ?をいただきながら、タリンの街の散策予定を練っていく。散策予定が決まったら、目の前に広がる海を眺め、ぼ~っと、ひたすらぼ~っとスイッチを完全OFFにして過ごす。

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2時間後エストニアに到着!!桟橋から世界遺産になっている旧市街までは少し離れていて、とにかく城壁めがけて歩くことにする。近くに見えている城壁は意外に遠い。歩くこと20分、やっと城壁にたどり着き、最初の訪問地となる聖オレフ教会へ。「上まで登ります?」と聞かれ、よくわからないまま「はい」と応えお金を払い、ひたすら階段を上る羽目に。登っても登っても頂上は限りなく遠く・・・・結局258段の階段を登りやっとたどり着いた。「わ~!!」眼下には旧市内も新市内も見事に見渡せる絶景が広がっていた。「絶景は苦労なしでは見れません!」まるでおもちゃのような建物の中にとんがり帽子の教会が点在している。ぐるりと一周して360度の絶景を堪能する。登って来て良かったぁ~

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下界?に降り立ちほっとした後、タリンのメインストリート、旧市街の旧市庁舎&ラエコヤ広場へ。広場は観光客目当ての様々なマーケットが並び、広場は人で埋め尽くされたいた。気が付けばお昼時。広場に面したお店、コルマス・ドラーコンで肉や野菜がたっぷり入ったスープランチをいただく。壺に入ったスープがぶ飲みし、フリーの胡瓜ピクルスを丸かじりする。何とも野性的!でも野性的って結構いい!!

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その後はやや観光地化された旧市街のメインストリートを避け、裏道を歩き、疲れたら可愛いカフェでアイスクリームを食べ、地元デザイナーのショップを覗き。かって訪れたフランスの歴史的町並み、リヨンの旧市街や、カルカソンヌモンサンミシェルなど、重なる景色を久しぶりに思い出しながらのんびりと歩く。

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世界遺産に登録されている街は、どこを歩いても絵になる。遠い昔、この街に生きた人々へ思いを馳せながら路地を歩く。そして強固な石の文化は来るものをいったん拒絶する冷たさがあるな、と、木の文化で育った日本人の私は思う。

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日本でも海外でも細い路地の道を好んで歩く。そしていつもその路地の向こうにふっと消えてしまう自分を想像してしまう。あの路地の向こうには私が知らない世界が広がっているような気がする。
タリン滞在中、最後に立ち寄ったふとっちょマルガリータの側にあった公園で行われていた造園アートは実にこころ踊らされた。わび、さびの世界の日本の庭の美意識とは全く違った庭に対する西洋の美意識!中にはえっ!!と、笑ってしまうような自由奔放な庭もあったり。

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世界は限りなく広く、実に様々な人種がいて、様々な美意識や価値観があることを改めて思う。私は狭い世界にしがみついて生きていない??ちょっと自分に問いかけながら。

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世界遺産の街の公園で、モダンアートの世界が広がる。背景の世界がアートを一層際立てる。

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約7時間のタリン滞在を終え、港へ向かう。フェリー乗り場近くにはアルコールや食材を売るスーパーが並んでいる。物価の高いフィンランドに比べると断然安いエストニアゆえに買い出しで訪れる人も多い。ビールやワインのケースを多量買いして運ぶ人も多かった。

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帰りの船ではバイキング夕食付きにしていたので、船の中のレストランで唖然!!というほどの旺盛な食欲で食べ続け、飲み続ける人たちを眺めながら、私の胃袋、小ちゃいな!と、初めて思った。
帰り着いたヘルシンキは夜の10時を過ぎても明るくて、ホテル近くのレストランは通りに面した席は満席状態で賑わっていた。夏のヘルシンキは眠らない!!でも私はホテルの部屋のカーテンをしっかりと閉め爆睡へ!!まだまだ続く北欧の旅。

フィンランドというと・・・・その2

再びのヘルシンキ旅便り?!書き始めたらやめられなくなり、こうなったらあくまでも私の個人的旅日記として綴ることにする。
ヘルシンキ3日目は港からそのフリーチケットを使い、フェリーに乗って20分くらいのところにある、要塞の島スオメンリンナに行く。昨日駅のキオスクで5日間有効のDay Ticketsを買った。ヘルシンキのバスや地下鉄やトラム(路面電車)やフェリーにも乗り放題で使えるチケットは5日間でわずか24€。日常品の消費税は14%、それ以外の贅沢品は24%。だから公共の交通機関はかなり安い。

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港に行き、フリーパスが使える公共フェリーに乗って、スオメンリンナ島へ向かう。昨日の不安定な気候がうそのように快晴の空、ピーカン!!お供はもちろんカモメ。
スオメンリンナは1748年に築かれた海上要塞の島で、1991年世界遺産に登録されたという。全くの予備知識がないままに島が近づいてくる。で、あっという間に到着!!とにかくこの島の歴史を調べなくては!!と、スオメンリンナ博物館に行く。フェリーに乗っていた人たちはどこに行ったのか、館内は私たちだけ。島の歴史を上映する部屋も同じく。25分間日本語での紹介をセレクトして、全く知らなかった島の歴史を知る。
バルト海にあって、スウェーデンの統治下にあった時代から、ロシアの自治領になり、英仏艦隊の襲撃やフィンランドの内戦、そして第二次世界大戦の軍事基地として、常に闘いの渦の中にあった。この場所で一体どれほどの人の命が奪われたことだろう。

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1918年要塞はフィンランド領になり、1978年フィンランド駐屯部隊が撤退して、島はやっと教育文化省の管轄となる。そして1991年、要塞が軍事施設のユニークなモニュメントとして、ユネスコ世界遺産に登録される。現在は800人のヘルシンキ市民が居住し、また要塞で活動する多くの工芸作家や木造帆船を修復する職人たちによって、フィンランドの伝統工芸が維持され、また毎年多彩な文化イベントが開催されている。(「海上要塞スオメンリンナ」より)

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 洞窟があり、砲撃へと切り抜かれた窓があり、闘いに明け暮れた島の昔を偲びながら、島のあちこちの残された遺跡を歩く。強固な石の文化だからこそ今の時代にも伝えられるんだな!と、改めて思う。無言の遺跡が語る声に耳を澄ませ、ひんやりとした迷路の道を歩く。

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絵筆をとってこの景色を描きたい!!そう思う場所がそこかしこにある。まさに印象派の世界!!光が風が限りなく優しい。少し空腹を覚え時計を見るとお昼近い時間に。もう随分歩き回っていることを知り、でもたくさんの人で賑わう島内のレストランで食事する気分でもなく、結局フェリー乗り場まで戻ってサンドイッチをゲットして、海を眺めながらのランチタイム。
おこぼれを頂戴しようと居座るカモメのかなり高い声を聴きながら・・・

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再び歩き出し到達した島の最南端の海岸では、ビキニの女性たちが日光浴をしていた。海の向こうにはヘルシンキの街並みが、真っ青な空にはカモメが気持ちよさそうに旋回する。
島の南西にあるクスターンミエッカの土塁と西方に向けられた大砲がロシア統治時代を今に伝える姿で目の前に見えてくる。その向こうには限りなく静かで平和な青い青い空と海が・・・・。戦争に明け暮れた島の歴史を想い、今の平和を輝く空や海を静かに抱きしめる。もう少しこの場所に座って、海を眺めていたい、そんなこころを抱え、やや日焼けした体を抱え、再びフェリーに乗り、フェルシンキに戻った。
ヘルシンキ3日目はその歴史に触れた1日だった。明日4日目はバルト3国エストニアへ。旅はまだまだ続く・・・・・

フィンランドというと・・・・・・その1

フィンランドというとあなたはまず何を思い出しますか?」敬愛する村上春樹氏の著書「ラオスにいったい何があるというんですか?」の中の「フィンランド編」冒頭はこんな文で始まる。で、私はまず何を思い出したかというと、フィンランドを代表する映画監督、アキ・カウリスマキの映画世界、マリメッコ、イケヤ、ミートボウル、ムーミン・・・・。そうだ映画「かもめ食堂」も。結構いっぱい思い出した。そうかぁ、次に旅をするならフィンランドだな。そうひそかに思っていた。

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そしてこの春、福岡、ヘルシンキ間に直行便が就航し、遠い国の距離が一気に近づいた。今、行かなくては次はないかもしれない!!なぜか少し焦り、慌てて仕事を調整してヘルシンキへの旅を決行した。ヘルシンキ6泊のホテルと往復の飛行機を旅行社に頼み、ヘルシンキに向かう機中で行くところリストを作り、で、あっという間にヘルシンキの街に立っていた。

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とにかく移動の利便性を第一に、ヘルシンキ中央駅から歩いて3分のところにあるホテルにした。荷物を置いて早速周辺を散策する。あいにくの曇り空ながら、暑くもなく、寒くもなくぶらぶら歩きにはちょうど良い。北欧デザインのおしゃれなお店を眺めながら、エスプラナーディ公園を歩いて港へ。かもめがいっぱい!!低空飛行するカモメを避けながらマーケット広場を歩く。数時間前にヘルシンキに着いたばかりなのに、なんだかすっかり歩きなれた街に思えてくる。呼吸がし易くなったといったら良いのか。気取らない街、空気感、空や風やかもめの声が、とても自然に体を包み込んでくれる。好きだわ、この街。

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港だけではなく街の通りにも公園にもかもめがいて、高い音で鳴く声に最初は少し驚いた。ヘルシンキといえば、やっぱ かもめだね!
二日目はこの街の散策開始!!まずはデザインが素晴らしい二つの教会に行き、北欧のかみさまにご挨拶をすることから始める。

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木の教会 カンピ礼拝堂は地下鉄の駅へ流れていく人が交差する広場に、すっきりとモダンな姿でそこにあった。この礼拝堂では開館中、教会関係者や市の健康・社会福祉部の職員が待機していて、国を問わず助けを必要としている人の相談に応じているという。礼拝堂は11,5mの高さがあり、外壁はトウヒ、内壁はハンノキで、建具や扉はセイヨウトネリコという三種の木で出来ているという。温かい光に満ちた礼拝堂に座って、静かに目を閉じてかみさまに私の思いをお話ししたくてすこし座って目を閉じる。まるで日本のお寺で座っているかのように、すーっとこころが落ち着いていく。形は違うけれど、木のパワーかな。ずっとここにいたい!そう思える場所だった。

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次は一転、岩の教会、テンペリアウキオ教会へ。自然の床岩を切り出して、くりぬいて作った斬新なデザインの教会は、ヘルシンキ観光の目玉スポットで、とにかく観光客でいっぱいだった。確かにその内部は圧巻!!くりぬいた岩で壁を造り、銅板の屋根を支える柱の間にはガラスがはめ込まれ、光が降り注ぐ。岩に包まれたパイプオルガンが奏でる音は、体の芯へと響いていく。「ここはほんとすごいね!」トイレ待ちで並んでいた時に話したオーストラリア人の女性と、感動を分かち合った。
今までの人生で、実にさまざまな教会を訪れてきたけれど、このような教会は初めてだった。木と岩、どちらも自然な素材を活かし造られている。だからかな、自然のかみさまがそこに、きっといるんだよね。

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初日は北欧のかみさまに出会い、ちゃんとご挨拶をして終わった。戻って来た駅前は暮れない夜と共にたくさんの人が交差していた。夕食は昨夜のレストランの量の多さに恐れおののき?今夜はデパートストックマンのデパ地下ご用達のデリをホテルの部屋でゆっくりいただくことに。夜9時を過ぎても外は明るく、カーテンを閉めて夜のモードに切り替える。街はまだ賑わっているのだろうなぁ・・・そう思いながら二日目の夜に眠る。
三日目はフェリーに乗って要塞の島、スオメンリンナ島へ。一回で終わろうと思ったヘルシンキの旅、やっぱ無理!!迷惑ながらこれからしばらく続く。

まだまだ頑張れる?!水無月に思うこと。

梅雨入り後ながら、未だそれほど湿度も高くなくまずまずの日々が続いている。私は相変わらずに元気で、特に痛いところもなく、何を食べても美味しくて、体を使って指導をする仕事を、多い日は1日3レッスンもこなせる体力と気力を保ち続けている。この夏にはいよいよ65歳になりわずかながらの年金も支給されるし、立派な高齢者になる身ながら。こんな元気な老後を送れるなんて、若いころの私からは想像が出来なかったなぁと改めて思う。元々運動音痴で全く体を動かすこともなく、結婚して出産後、すっかり体力が衰え、低血圧の頭痛持ちで疲れたらとにかく横になって休まないと役に立たないという情けない体だった。で、30歳になってから、このままでは老後は悲惨なものになる!!そう一大決心をして体つくりを開始した。

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以来35年、ジョギング、エアロビクス、クラッシックバレー、ジャズダンス、ウエイトトレーニング、気功、ヨガ・・・・ありとあらゆることをやり、結局ヨガが残った。(さすがに運動音痴ゆえ団体で行う球技は無理だったけれど)で、今はヨガの指導者として、この歳になっても働き続けている。人生わからないなぁ・・・と、改めて思う。そんな私がチャレンジしたくて未だ手を出せないでいるのがフルマラソン。自分を極限まで追い込む世界に憧れているものの、勇気がなくて結局一度もチャレンジできないまま現在に至っている。世の中で尊敬する人は小説家とマラソンランナー。

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そんな私の思いを知らないであろう息子が、極限も極限、山を駆け上がり駆け降りる過酷なトレイルランに挑戦を続けている。去年、京都比叡山で開催された「比叡山トレイルラン」に初挑戦し、ダントツビリながら完走した息子は、今年もまたその山を走った。しかも去年のタイムを2時間近く縮めて完走。忙しい仕事の日々、週末はほとんど京都の山を走り続けていたという。すごいな!!と、本当に思う。
そのレースの一部始終を綴ったブログ「今年も比叡山国際トレイルランを走りました」を読んで、母は泣いた。すっかり泣き虫になった自分に、歳だわとひとり語ちながら。ラストランは愛するお嫁さんと手に手を取って!!なんて素敵なん!と、このツーショットに幸せマーク一杯になった。

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スタジオやスポーツクラブ以外の場所で指導するときの必需品はヨガマットとラジカセ。そのラジカセがまたまた壊れた。ほぼ5年おきくらいに買い替えている。で、ヨドバシに走る。ラジカセは???ない!近くにいた販売員に聞いたら、このスピーカーを勧められた。JBL  HARMAN のスピーカーが今一番人気らしい。え???そうかぁ、もうCDは必要ないんだ。しかもラジカセよりずっとコンパクトで持ち運びも楽!!新しいもん好きな私は即買い!「色は何色が?」「オレンジ」迷わずそう答える。相変わらず第一のチャクラ、決断力を司る尾骶骨パワーは強い!!帰宅後早速スマホにレッスンで使う音楽を入れ、オレンジスピーカーで聴いてみる。丸いスピーカーから音が全方向に広がり、音もラジカセよりずっと重厚感がある。防水加工もあってお風呂でも野外でも使えるという。なんか嬉しい。家電オタクの私。

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映画オタクでもある私が大好きな監督の一人はフィンランド人のアキ・カウリスマキ監督。「浮き雲」「愛しのタチアナ」「過去のない男」「街のあかり」など、ずっ観つづけて来た。そんな監督の国へ死ぬまでに一度行ってみたいと思い続けて来た。福岡、ヘルシンキ間が今春4月から10月まで試験的に?直行便が運航されることを聞いてひそかに狙っていた。で、今月末、第5週でレッスンもないし、後はなんとか代行レッスンを頼めそうなので、行くことにした。憧れの街、ヘルシンキへ・・・・カウリスマキ監督の映画の世界&日本映画「かもめ食堂」の映画の世界はもちろんながら、大好きなマリメッコイッタラなどの素敵な北欧デザインも見逃せない!やはりながら北欧の森にも行ってみたい。ついでに隣国エストニアの首都タリンへも足を伸ばし・・・往復の飛行機とヘルシンキのホテルは抑えたから、後はのんびり気ままに北欧の夏を楽しむつもり。

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この数年はずっとインドへの修行の旅ばかりだったから、そんな世界から離れた旅は本当に久しぶりだな。日常から離れた場所で、私はどんなことを感じ、自分をどんな風に見つめ直すのかな?村上春樹の「ラオスにいったい何があるというんですか?」の中に、ヘルシンキを旅した「シベリウスカウリスマキを訪ねて」という章がある。春樹さんの旅を等ってみたいという思いもある。「旅先で何もかもうまくいったらそれは旅ではない」・・・確かに!!大変だった旅ほど記憶に深く刻まれている。どんな大変に出会うかな?楽しみにしながら旅支度をしようかな・・・・でもその前に・・・・
今週も一歩一歩、信じた道をこころ尽くし歩いていこう。

★最近観た映画  「永遠のヨギー」  ヨガをめぐる奇跡の旅  ヨガナンダの生涯
         

 

ひと針ひと針 & 一歩一歩

今年の皐月の空は気まぐれに移り変わり、暑かったり寒かったりと、例年以上に大きな自然の現象のジェットコースター的変化に振り回されていたっけ。で、いきなりの真夏日!暑い!まさかの夏日到来?5月に既にこの暑さですか!!と、呆れつつ、大汗かいての週末レッスンを終え、やっとやっとの仕事オフの日曜日も、朝9時からカウンセリング中級講座へ。1日缶詰で学ぶ。
鎌田先生の講義は実に興味深い。集中してひと言も聞き洩らさないようノートを取り続ける。講義の後はグループに分かれ、一人が最近あった感情的になった出来事を語り、他の人がその感情の目的について聴いていく。「執着とこだわりがあるからこそ感情が作り出される」・・・・自分の感情を分析され、感情の元になっている自分のこだわり、執着が露呈される。客観視しているつもりが、まだまだ浅いことに改めて気づかされる。「気づいたら実行!!ではなく、まずは実験!のつもりで。自分を苦しめている一番の加害者は、実は自分自身。自分がただこだわっているだけ。世の中は実はとてもシンプルなもの。ストレスは自分で作って増幅させている」
変われるかな、私!?!まずは実験を開始しよう。

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この講座にも熊本の療法士仲間は参加をキャンセルされていた。熊本はまだまだ大変な状態が続いている。家が全壊された療法士も数名いるとメールが入る。お腹が痛くて病院に行ったら腕が骨折していると言われたという。自分の体のことは後回しで、頑張っている仲間を思うと胸の奥が痛くなる。倒壊した家屋の片付けとかは、体力あるから出来ると思うけれど、高齢者が行ったらかえって迷惑になるし、ヨーガ療法士としてこころと体のケァーで行きたいけれど、現地はまだ受け入れる状態ではないようだ。だから今は祈るしかない。毎朝の瞑想の中で祈り続けている。

「誰かのために祈ると、脳の中に幸せホルモン、オキシトリンが放出されて、免疫力が上がる。たとえこころ塞がる思いに囚われていても、誰かのことを思い、その人のために祈っていると、自分のこころの強さやしなやかさが引き出される」(聖路加国際病院、腫瘍精神科 保坂 隆先生より)わたくしごとをここに置き、大切な人を、私の親しい人を、そして生きとし生けるものを思って祈る。祈る力を信じたい。

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最近、刺繍作家(装苑6月号参照)として地味に活動を続けている娘の作品で、背中にインドの神さまのひとり、ガネーシャが刺繍されたスカジャンを手に入れた。作品展用に作った作品のひとつで、幸い?売れずに残っていたので、ヨーガを究める母としては、手に入れんば!!と思い、買います!コールをしてゲットした。
ガネーシャはインドの神さまの中でも大好きな神さま。インドの神さまの中には、日本にそのまんま輸入?された神さまが多い。例えば大黒天のシバ神、弁財天のサラスヴァティーなど。ガネーシャも聖天として平安時代に日本に渡って来たそうだが、あまり根付かなかったよう。確かに日本には象さんはいなかったからね。でもガネーシャは、智慧と繁栄をもたらす神さまとしてインドでは庶民に一番愛されている神さまだ。インドの街角ではいつでもガネーシャに出会える。

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その神さまを娘が実に丁寧に刺繍した。娘は、コンピューターが描くデジタル世界とは真逆の、実に地道な手仕事に自分の表現の世界を探し続けている。小さいころからお喋りなお兄ちゃんに比べると、何も言わずに我が道を黙々と!というタイプだった。「こうしたらいいよ」と言ったら、一応頷き、でも決してそうはしなかった。そう、頑固もんだった。そんな頑固もんだから、ひと針ひと針、地道に刺して自分世界を描いていく手刺繍は、合っているのかな。
アートの世界を生業として生きていくのは、中々難しい。どんなことでも好きな世界でお金を稼ぐことが出来たら、本当に幸せだな、と思う。でも、お金を稼げなくても、自分にとっての生きる意味をちゃんと持って生きている人が一番幸せなのかもしれない。
「あなたの人生で生きる意味は何ですか?」ケント・M・キース氏はそう私たちに問いかけられた。

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大宮の学会で講演をお聴きしたケント・M・キースさんの「逆説の10ヵ条」を思い出している。キースさんがハーバード大学の学生だった19歳の時に書いた「逆説の10ヵ条」が、世界中に広まり、やがてインドのマリアテレサの目に留まり、その著書でも紹介されている。

「逆説の10ヵ条」

・人は論理的でもなく、不合理で、自己中心的だ。それでも人を愛しなさい。
・あなたが良いことをしても人はわがままだと非難するし、動機を邪推する。それでも良いことをしなさい。
・あなたが成功するとまやかしの友人と本当の敵を得る。それでも成功をしなさい。
・あなたがする今日の良いことは明日には忘れられる。それでも良いことをしなさい。
・正直さと率直さはあなたを傷つけやすい立場に追いやる。それでも正直で、率直でいなさい。
・最大の着想を抱く、心の最も大きな男女も、最低な考えを抱く、心の最も狭い男女によって打ち落とさ れてることもある。それでも大きな着想を抱きなさい。
・人は弱い者に同情しても、優勢者に追随する。それでも弱いもののために戦いなさい。
・あなたが何年もかかって築きあげたものが一晩で破壊されるかもしれない。それでも築きあげなさい。
・本当に助けを必要としている人をあなたが助けようとすれば、非難されるかもしれない。それでも人を助けなさい。
・あなたが持っている自分の最善を世のために尽くしても、酷い目に合される。それでも、世のために最善を尽くしなさい。

ひとつひとつの言葉が改めて胸に響いてくる。会場で質問を受けた時、自分のやっていることが偽善ではないかと悩むことがあるという青年に対して、彼はこう答えた。
「疑いを持たずに行動すれば、人を傷つける。疑いを持って行動しなければ、自分を傷つける」と。
悩みながら、戸惑いながら、それでも一歩一歩、前に進める歩み続けることが大事なんだなぁと改めて思った。
ひと針ひと針&一歩一歩・・・・・迷うから学ぼうとする。学ぶから一歩前に歩けるのかな・・・・
変わらずの一歩一歩。

 

皐月の空を見上げて

すっかりすっかりご無沙汰になってしまったブログを久しぶりに開く。さて、何から書き始めようか、、随分遠ざかっていたから、一体何から書き始めたら良いのかちょっと悩む。真っ青な皐月の空を見上げながら、相変わらず余震が続く熊本を想う。静まらない大地を憂う。
GWは毎年母の住む田舎に帰って、家族みんなでお茶摘みをするのが、もう十年以上続いていた。でも今年の初め母が亡くなり、我が夫や姉の夫が体調を崩していることもあり、今年は本当に久しぶりにどこへも行かず、我が家で過ごした。

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 ここんとこずっとずっと忙しかったから、こうして家にずっといることなんてなかったから、めっちゃ嬉しい。お天気も良くて、真っ青な空や木々の緑がキラキラ光っていて、もうそれだけで幸せ。

人込みや渋滞が嫌いだから、お出かけは無理!だから、放ったらかしになっていた2階の本棚の整理をし、衣替えと称して着てない服を処分し、ベランダの奥に突っ込んでいたものを片付け、ゴミ袋5個、そして本は紙袋4個以上!処分~!いや~よく働いたぁ!

で、疲れたら寝っ転がって、これまた溜まっている本を読みつつ、時々まどろみ~。あ~、こんな風に家にずーっといるのって何年振りかな??そうしみじみ思ったり。

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特に4月は超がつくほど忙しかった。私的な出来事も未だかってないほどてんこ盛りの中、4月末、埼玉の大宮であったヨーガ療法学会の分科会「がんとヨーガ療法」では、この1年間行って来た九州がんセンターでのヨーガ教室の報告を、100人近い人たちの前で20分近く、パワポを使って話をすることになり、その準備にも追われていた。

そんな日々、必ず行ったのは毎朝30分ほど早起きをして、静かに座す、瞑想タイム。すっかり気候も良くなって、朝早く座っていても寒くない。まずは深呼吸して丹田に軽い力を入れ、背骨を伸ばして姿勢を正す。こころを上唇の真ん中、人中(じんちゅう)に向け、そこに流れている呼吸の風を観る。ずっと観続ける。やがて左の鼻から息を吸い、右の鼻から息を吐いていく片鼻呼吸のイメージが始まっていく。でもこころはじっとしているのが嫌いだから、いつの間にか雑念が次々に湧き上がってくる。そんな雑念を、はぁ~・・あんたはそんなことを気にしてるんだ!と、飲み込まれることなく客観的に実況放送をしてるが如くに捉え、しばし後、また呼吸を観続ける。
30分間座っていて、多分20分近くは雑念の嵐との闘いかもしれない。でも全く雑念が消える時間が必ずある。頭の奥がすっからぴ~ん??になって、快晴の青い空に、限りなく青い空に包まれる時間がある。
そこでセットしていた携帯のタイマーが鳴る。え~!もう30分過ぎたんだと大きな背伸びをして現実に戻る。

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よっしゃ!リセット完了!という感じで1日を始めると、集中力が増す。今やることはこれ!!と、忙し最中での優先順位が見えてくる。朝から頭も快調!?!

もちろん埼玉、浦和(大宮のホテル取れず)のホテルでもベットの上での瞑想タイムを欠かさなかった。で、発表は???自分でも信じられないくらいの平常心で、しかも伝えたかったことのほぼ全てを話すことが出来た。「行為の結果を求めない」「今できることに全力を尽くす」無心で語り続けた20分だった。

お嫁さんが乳がんになり、ピンクリボンの会で聖路加の保坂先生のご講演を聞いて、自分の経験には必ず意味があることに気づかされた話もした。(会場内にその保坂先生がいらっしゃることも知らずに)
最後はこの1年がんセンターで出会った150名近い患者さんのすべてのお顔を覚えてはいないけれど、記憶に残る患者さんのことを思いながら、患者さんから寄せられたこころの声を紹介した。

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終わってからたくさんの方々からお声をかけていただいた。「先生、抱きついてもいいですか」と、若い療法士に言われ、「ハグは一回100円!」と返した私。とにかくみなさんの思いちゃんと伝えることが出来て良かったなぁと、しみじみ思った。よく頑張った自分を抱きしめてあげたいと思った。
そして私が行っているがんセンターでの「ヨーガ教室」という取り組みが、アメリカや欧米諸国と同じように、日本のがん関連の病院、緩和ケァーでももっともっと取り入れられ、患者さんのQOLを高める一助になることを祈りにも似てこころから願った。多分命が続くまで私のライフワークとして、これからも現場で、一人一人の患者さんに向き合っての指導をしていこうと、こころに強く誓った。

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後日大宮大会の担当者の方からメールが届いた。「会場内に保坂先生がいらっしゃって、二宮さんの発表に、保坂先生のお名前が出て、先生も喜ばれたとのことです。」え~!!なんと間抜けな私。折角の機会だったのに、なんにも知らずにご挨拶も出来ずに・・・・でも、きっと伝わっていますよね?!
不思議な繋がりの連鎖が今の私を支えてくれていることに、感謝する日々。それらすべてが私の今を支え励まして下さっていることに感謝!!
熊本の被災地にヨーガ療法ボランティアとして入り、共に過ごすことが出来たらと願い、ボランティア申請もした。今できることに全力を尽くす。その思いしっかりと胸に抱き、変わらずの一歩一歩。