パザパ

パザパ pas a pas ・・・フランス語で一歩一歩。頑張らずでも一歩一歩前に進める日々を願って・・・

秋の風に吹かれて

猛暑の長い長い夏だったから、申し訳ないと思ったのか、残暑はさほど厳しくなく、意外にすんなりと秋がやってきた。すっと高くなった空にゆったりとたなびく雲、いつの間にかやってきた秋のすべてが優しく見える。最近買い替えた車を飛ばして、どこかに行きたいなぁ!旅こころを誘う秋。先日の連休は京都からやってきた息子夫婦と一緒に、高原の秋に会いに行った。まずは九重町にある大吊り橋へ。ここに来るのは6年振り。

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相変わらずたくさんの人で賑わっていたけれど、その8割近くが中国や韓国の観光客!様々な言語が飛び交う中、ゆらゆら揺れる橋を渡り、立ち止まっては山々を眺める。そういえば亡き母も大吊り橋が出来てすぐくらいに、村のバス旅行でこの橋を渡ったと話していたっけ。あの頃は母も元気に歩いていたんだね。「お母さん、見てますか」景色の向こうに母の姿を探していた。

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高原はすっかり秋だった。ススキの穂が風に気持ちよさそうに揺れ、遠くの山々と空が溶けあうような淡い光の中にあった。久住高原のキャンプ場はテントの家が建ち並び、家族連れで賑わっていた。子供が小さいときにここでキャンプしたことがあったなぁ。昔々の日々を久しぶりに思い出す。「夜、温泉にも行ったよね」「え~行ったっけ?」相変わらず記憶はあいまいだけれど。

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日本一のマラソンコースで走りたいという息子。星降る館周辺のマラソンコース2.5キロは中学の陸上部の生徒が監督の元で練習に励んでいた。息子はややアップダウンのあるその外周4キロほどを走る。こんな大自然に抱かれた場所で走ったらどんなに気持ちがいいだろう!走り終えた息子はとてもいい顔をしていた。草原を吹き抜ける風は最高に気持ちよかったな。

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やや汗臭い息子を乗せて、竹田市へ。竹田と言えば岡城址滝廉太郎の荒城の月が生まれた場所。多分20年振りかな。かなり高い丘の上にある山城である。坂があり階段があり、え~、岡城ってこんなに広かったっけ、と思う。それはきっと私の体力が20年前より衰えているから。でもゆっくり歩くから色んなものが見えてくる、いろんなことに気付く。歳をとるのも悪くはないな。大きな城に比べると格段に小さな石ながら、隙間なく積み重ね作られた石垣に驚く。城内がひとつの町のように広大な敷地が広がっていることに気付く。二の丸跡からの壮大な景色。眼の前に広がる久住の山々は、全てを包み込むように静かにそこにあった。

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その夜は長湯温泉の大丸旅館に宿泊。温泉にゆっくり入り、美味しい夕食をいただき、人気のラムネ温泉にも行った。炭酸泉の小さな泡が皮膚を優しく刺激し、とろとろと体にじんわりと染み込んでくる。宿への帰り道、虫の音と川のせせらぎに耳を洗われながら、満点の星を眺める。東北生まれのお嫁さんは、久住の草原を初めて見た景色!!と、とっても喜んでくれた。

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相変わらず忙しい日々、少し無理しての遠出だったけれど、良かったなぁ。自然にいっぱいエネルギーを貰ったなぁ。そして家族はいいなぁと改めて思った。素のままの自分でいれる唯一の場所だから。久住高原の風を、ラムネ温泉の帰りに眺めた星空を、出会ったときめきの全てを、きっと忘れないだろう!たぶん・・・翌日は阿蘇まで足を伸ばした。その時のお話はまた後日に。変わらずの一歩一歩。さぁまた元気に頑張ろう!

★最近観た映画 「判決、ふたつの希望」 レバノン、フランス映画

★最近読んだ本 「すぐ死ぬんだから」 内館 牧子著