パザパ

パザパ pas a pas ・・・フランス語で一歩一歩。頑張らずでも一歩一歩前に進める日々を願って・・・

弥生3月・・・・京都プチ旅 その2

寒い寒い冬もやっとその重い腰を上げ、名残惜しそうに旅支度を始めたようで、やっとほっとの春が一気に近づいている。先日行った宮地嶽神社では、緋寒桜が満開だったし、今日車で通り過ぎた近所の街路樹の木蓮も開花を始めているようだった。そうかもう3月も半ばだよね。

f:id:chezk087:20170313204044j:plainさて、京都プチ旅二日目!大急ぎで報告です。チェックインしたフロントで、広い部屋が空きましたのでと、ツインルームをひとりで使うことに。と、言っても二つのベッドにまたがって寝るわけにもいかず。翌朝十分に朝寝して起床。外は・・・快晴!フロントに荷物預けて10時にやっと行動開始。昨日と同じように京都駅前からバスに乗り、左京区一乗寺にある曼殊院へ向かう。最寄りのバス停一乗寺清水から歩くこと20分。緩い坂道を歩いていると、観光タクシーが一台通り過ぎていく。私の他に歩く人は誰もいない。少し汗ばんでスカーフを外し、コートのボタンを開けた頃、曼殊院道に至る。

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洛北隋一の門跡寺院は(門跡とは江戸時代から近世まで皇室の一門が住職を務める寺をいう)江戸時代初期の代表的書院建築で、その様式は桂離宮との関連が深い。ほとんどが重要文化財で、大玄関の襖は狩野永徳作(桃山時代)、障壁画は狩野探幽作(江戸時代初期)などなど。置かれているものはほとんどが国宝。残念ながら庭は修復工事の足場が組まれていて、枯山水の風情を堪能は出来なかったけれど。訪れていたのは外国人の老夫婦と女性3人組と私だけ。引手などに桂離宮の様式と類似した大書院(江戸時代初期の書院建築)では、本尊の薬師如来像の前にひとり座す。かって母と訪れた桂離宮を想い出しながら。
国宝独り占め!なんと贅沢な時間なんだろう!!
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紅葉の頃はすぐ側に迫る比叡の山々が色づいて、きっと多くの人で賑合うのだろうなぁ。でも私はほとんど人がいないこんな時期の方が好きだな。じっと座っていると体の芯から冷え切ってくる。またそれも心地よい。またきっと来たいな、後ろ髪をひかれながらいつの間にか私ひとりになってしまった曼殊院を後にする。帰りは関西セミナーハウスまで足を伸ばし、眼下に広がる京都の街を眺め、京野菜が植えられた畑を眺めながら、叡電修学院駅まで歩く。

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 旅先で必ず立ち寄るのが本屋さん。叡電一乗寺で下車して「けいぶん社」へ。当たり前ながら本がいっぱいの店内に足を一歩踏み入れた途端、ワクワクと胸が躍る。1時間近く様々な本を手に取り、お財布と相談しながら2冊の本を購入。しょっているリュックには既に3冊の本が入っているから、2冊が限度。一冊は1980年に発刊された山城修一氏の「猫は猫の夢を見る」という画集。もう一冊は佐野洋子さんの新刊「あっちのヨーコ こっちのヨーコ」。じっくり読むという本より、じっくりと観る本を選んだ自分に納得!そういえばお腹空いたな~昨夜夕飯を一緒にした息子に「お昼は何食べたらいい?」と聞いたら、「京都と言えばラーメン!一乗寺には美味いラーメン屋がいっぱいあるよ!」と言っていたっけ。博多でもラーメン。京都でもラーメンかぁ。

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どこにしようかと悩んだ結果、観光客ではなく地元の人が並んでるお店にする。っていうか、京都のラーメン屋には観光客はふつうおらんし。若者の列におばさんひとり。で、並ぶこと30分。途中で何度もやめようかと思ったけれど、まぁ急ぐ旅でもなしと意地で並び続ける。自販機で普通のラーメンにするつもりが間違ってチャーシュー麺にしてしまい、麺の量を選ぶ時もやや多めと言ってしまった。が~ん!!すごい量のチャーシュー!!どろっとしたスープがまとわりついた麺。濃厚!!大食漢の私もさすがに途中でめげそうになる。しかし!!残すという行為は我が辞書になし!で、頑張って完食!!ふ~~・・・やっぱラーメンは博多がいっちゃんよか!!

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本当は四条河原ですこしおしゃれなリュックバックを探したかったけれど、お腹いっぱいだし、もう14時はとっくに過ぎているし、最後の訪問地である東寺に行くべく京都駅へ。東寺はもう何度も訪れている場所。その度にすごいエネルギーをいただいている。空海を思い講堂で対峙した立体曼荼羅。その圧巻のエネルギー。金堂本堂の薬師如来像の眼差しは、私に正しき道を迷わず歩けと言っているように思えた。

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内部が公開されていた五重塔では心柱を囲む四仏坐像や曼荼羅の世界が極彩色の文様で装飾されていた。
すごいな!!圧倒されて言葉を失う。空海が元慶7年(883年)竣工した東寺はその後幾多の消失、再建を経て今に至る。その長い長い歴史を思いその場所に佇む。私はその歴史の延長線上にいる!!京都はきっとそんな思いを抱かせてくれる場所なんだね。
空海の足跡を辿りたくて、思い切って出かけた京都のプチ旅。エネルギー充満の2日間だった。帰福後の1週間は集中力半端なく、エネルギー満タンだった!!また行こう、京都へ。

★最近読んだ本  「劇場」 又吉 直樹著 (新潮第140巻第4号
★最近観た映画  「ラ・ラ・ランド」デイミアン・チャゼル監督