パザパ

パザパ pas a pas ・・・フランス語で一歩一歩。頑張らずでも一歩一歩前に進める日々を願って・・・

7月終わりの日・・試練の夏が続いています

7月上旬の西日本豪雨、ずっと続いている35度を超える酷暑、観測史上初めて東からやって来た台風・・・予測不能の厳しい夏を迎えている。この異常気象による災害に日本列島はずっと翻弄され続け、週末はまた再びの迷走台風到来。台風一過?の週明けは酷暑も少し和らぎ、久しぶりにエアコンなしでぐっすりと眠った。でも天気予報によると、これからも35度の日々が続くらしい。そうですか、まだ続きますか、と開き直る週明け。

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で、思い直す。そうだ、この世で起きることには必ず終わりがある。この暑さもいつか終わるんだ。こうなったらその日を夢見て体力を温存しながら耐えるしかない。西日本豪雨の被災地のみなさんのことを思うと、何不自由ない生活を送れているだけでも、感謝しなくては。1日1日を感謝して生きていかなくてはと思う。そうだよ、私は今、奇跡の命を生きているのだ!わが身とこころを引き締める。

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年に一度のヨーガ療法学会は、今年は仙台で開催された。昨年の福岡開催の時は、1年に及ぶ準備や当日の対応など、主催者として走り回っていた。一昨年の大宮の学会でも分科会での発表があり、じっくりと先生方のご講演を拝聴出来ずだった。で、今年は何の束縛もなく、ほぼ2年振りに一学会員として自由気ままに?!学びの時を過ごすことが出来た。
東北大学名誉教授の笹野先生による「味覚と健康」についての講義や、東北福祉大学教育学部教授の斎藤先生による「ヨーガ療法と禅」、アウシュヴィッツ・ビルケナウ強制収容所公式ガイドをされている中谷剛さんによる「アウシュヴィッツの教訓」のご講演など、こころに残るお話をお聴きし、その一言一言を聞き逃さないように必死でノートを取り続けた。

学びの時・・・今まで知らなかったことを知る。今まで気づかなったことに気づく。「そうかぁ~」「そうなんだ!」こころが躍る。そんな瞬間に出会いたくて学会に参加しているのだと思う。この歳になっても知らないことだらけ。もっともっと学ばなくてはと改めて思う。もうそんなに残っていないかもしれない私の人生だけど、多分死ぬまで学びの時は続くんだろう。

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仙台に行ったのは学生時代以来だからなんと50年振り。生きてる内にもう来れないかもだから、学会ついでに仙台周辺の旅も学会前後の日に入れてちゃんと楽しんだ。学会前日は午前中に仙台入りし、お昼は仙台名物冷麺を食した後、松島へ。仙台駅から電車で約30分。遊覧船の時間までの空き時間に訪れた瑞巌寺。九州のお寺にないどっしりとした佇まいに圧倒される。庭の木々も力強く、確かなエネルギーに満ちていた。

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その後松島遊覧の乗船場へ。乗り場にはすでに列が出来ていた。せっかくだからと乗船料&プラスを払って2階席へ。館内放送に耳を傾けながら点在する島々を巡る。多分50年前も同じように遊覧船に乗ったような気がする。残念ながら詳細な記憶はないのだけれど。海のキャンバスに次々と現れる島々。世界遺産の景観はまさに絵画のように美しい。外洋に出ると船は大きく揺れた。そうかぁ、ここは太平洋なんだと改めて思いながら、点在する島々が見せてくれる様々な姿に見惚れる。この景色はきっと日本中探してもここにしかないよね。「松島よ、ああ 松島よ、松島よ」絶景を前にすると人は言葉を失うのだろう。

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その夜は塩釜のお寿司屋さんで東北の寿司を味わう。震災後ずっと観光客が途絶えていたという。松島の島々のお陰で、津波の威力が少し小さくなってこの辺は救われたという。板前さんの話。その場所に立ち、あの時の話を聞き、能天気な九州人の私は、今更ながらあの時を思う。その夜いただいた珍味?はホヤ。パイナップル?のようなお姿ながら、味は海そのもの。日本酒にぴったりと合う初体験の味だった。

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学会後は仙台から一の関まで移動して、翌朝は平泉へ。中尊寺に行きたいという姉の願いに応えてというのが表向きの理由。裏向き?理由は中尊寺へ至る道を50年ぶりの私がどんな思いを胸に歩くのだろうという過去との遭遇狙い?もあった。中尊寺に至る道はすっかり整備をされているなぁという思い以外はあまり変わっていなかった。私の記憶が薄れているのでその変化に気付かないのかもしれないけれど。木々に見守られ一歩一歩参道を歩く。あの時と同じように。

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中尊寺は変わらずのそこにあり、光堂はしっかりとした御堂に守られて変わらずの光の中にあった。そして50年前と同じように「五月雨の降り残してや光堂」芭蕉の句をこころの声で呟いている自分に少し驚いた。藤原家の栄華を極めたこの地の歴史の重さを思い、今も確かに語り掛けてくるメッセージに耳を傾ける。50年前と同じように。私は50年前の自分に恥じない生き方をしてきたのだろうか?自戒の念も抱きながら手を合わせる。いろんなことに行き詰って、一人見つめ直したくて、生まれて初めての一人旅をしたのがこの地だった。あれから、あんまり変わってないな、相変わらず迷い多いし。

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中尊寺は私のこころの原点のように勝手に思い込んでいた。「夏草や兵どもが夢のあと」戦い敗れた兵士たちの夢は時代を超え、しっかりと受け継がれ、今の世にも夢を伝える場所としてその魂が生き続けているんだと改めて思った。50年前の自分に恥じないよう生きて終わらなくては!

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中尊寺から庭園美が素晴らしい毛越寺に行き、あやめが咲き誇る庭園をそぞろ歩いた。昼食は平泉駅前にあるわんこ蕎麦店で、初わんこ蕎麦をいただく。お椀にちょっと盛られた蕎麦が24杯。いろんな薬味で味を変えていただく。この蕎麦まとめたら盛り蕎麦2枚くらいかな?と思う気持ちを必死で打ち消し、ご当地グルメを堪能する。

学会&旅が終わって、またいつもの日常が始まった。学んだことをちゃんと自分の中で消化し、正しく伝えられるように学び直さなくては。感じたことをちゃんとこころの声で語れるように、自分の思い、整理しなくては。豪雨で被災し懸命に闘っている療法士の仲間たちがいる。ささやかな募金をするくらいしか何も出来ない自分だけれど、今ここにある今を感謝して、大切に一歩一歩生きていこう。そうこころから思う。

★最近観た映画 「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ★アディオス

        「フジコ・ヘミングの時間」 出演 フジコ・ヘミング