パザパ

パザパ pas a pas ・・・フランス語で一歩一歩。頑張らずでも一歩一歩前に進める日々を願って・・・

ひと針ひと針 & 一歩一歩

今年の皐月の空は気まぐれに移り変わり、暑かったり寒かったりと、例年以上に大きな自然の現象のジェットコースター的変化に振り回されていたっけ。で、いきなりの真夏日!暑い!まさかの夏日到来?5月に既にこの暑さですか!!と、呆れつつ、大汗かいての週末レッスンを終え、やっとやっとの仕事オフの日曜日も、朝9時からカウンセリング中級講座へ。1日缶詰で学ぶ。
鎌田先生の講義は実に興味深い。集中してひと言も聞き洩らさないようノートを取り続ける。講義の後はグループに分かれ、一人が最近あった感情的になった出来事を語り、他の人がその感情の目的について聴いていく。「執着とこだわりがあるからこそ感情が作り出される」・・・・自分の感情を分析され、感情の元になっている自分のこだわり、執着が露呈される。客観視しているつもりが、まだまだ浅いことに改めて気づかされる。「気づいたら実行!!ではなく、まずは実験!のつもりで。自分を苦しめている一番の加害者は、実は自分自身。自分がただこだわっているだけ。世の中は実はとてもシンプルなもの。ストレスは自分で作って増幅させている」
変われるかな、私!?!まずは実験を開始しよう。

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この講座にも熊本の療法士仲間は参加をキャンセルされていた。熊本はまだまだ大変な状態が続いている。家が全壊された療法士も数名いるとメールが入る。お腹が痛くて病院に行ったら腕が骨折していると言われたという。自分の体のことは後回しで、頑張っている仲間を思うと胸の奥が痛くなる。倒壊した家屋の片付けとかは、体力あるから出来ると思うけれど、高齢者が行ったらかえって迷惑になるし、ヨーガ療法士としてこころと体のケァーで行きたいけれど、現地はまだ受け入れる状態ではないようだ。だから今は祈るしかない。毎朝の瞑想の中で祈り続けている。

「誰かのために祈ると、脳の中に幸せホルモン、オキシトリンが放出されて、免疫力が上がる。たとえこころ塞がる思いに囚われていても、誰かのことを思い、その人のために祈っていると、自分のこころの強さやしなやかさが引き出される」(聖路加国際病院、腫瘍精神科 保坂 隆先生より)わたくしごとをここに置き、大切な人を、私の親しい人を、そして生きとし生けるものを思って祈る。祈る力を信じたい。

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最近、刺繍作家(装苑6月号参照)として地味に活動を続けている娘の作品で、背中にインドの神さまのひとり、ガネーシャが刺繍されたスカジャンを手に入れた。作品展用に作った作品のひとつで、幸い?売れずに残っていたので、ヨーガを究める母としては、手に入れんば!!と思い、買います!コールをしてゲットした。
ガネーシャはインドの神さまの中でも大好きな神さま。インドの神さまの中には、日本にそのまんま輸入?された神さまが多い。例えば大黒天のシバ神、弁財天のサラスヴァティーなど。ガネーシャも聖天として平安時代に日本に渡って来たそうだが、あまり根付かなかったよう。確かに日本には象さんはいなかったからね。でもガネーシャは、智慧と繁栄をもたらす神さまとしてインドでは庶民に一番愛されている神さまだ。インドの街角ではいつでもガネーシャに出会える。

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その神さまを娘が実に丁寧に刺繍した。娘は、コンピューターが描くデジタル世界とは真逆の、実に地道な手仕事に自分の表現の世界を探し続けている。小さいころからお喋りなお兄ちゃんに比べると、何も言わずに我が道を黙々と!というタイプだった。「こうしたらいいよ」と言ったら、一応頷き、でも決してそうはしなかった。そう、頑固もんだった。そんな頑固もんだから、ひと針ひと針、地道に刺して自分世界を描いていく手刺繍は、合っているのかな。
アートの世界を生業として生きていくのは、中々難しい。どんなことでも好きな世界でお金を稼ぐことが出来たら、本当に幸せだな、と思う。でも、お金を稼げなくても、自分にとっての生きる意味をちゃんと持って生きている人が一番幸せなのかもしれない。
「あなたの人生で生きる意味は何ですか?」ケント・M・キース氏はそう私たちに問いかけられた。

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大宮の学会で講演をお聴きしたケント・M・キースさんの「逆説の10ヵ条」を思い出している。キースさんがハーバード大学の学生だった19歳の時に書いた「逆説の10ヵ条」が、世界中に広まり、やがてインドのマリアテレサの目に留まり、その著書でも紹介されている。

「逆説の10ヵ条」

・人は論理的でもなく、不合理で、自己中心的だ。それでも人を愛しなさい。
・あなたが良いことをしても人はわがままだと非難するし、動機を邪推する。それでも良いことをしなさい。
・あなたが成功するとまやかしの友人と本当の敵を得る。それでも成功をしなさい。
・あなたがする今日の良いことは明日には忘れられる。それでも良いことをしなさい。
・正直さと率直さはあなたを傷つけやすい立場に追いやる。それでも正直で、率直でいなさい。
・最大の着想を抱く、心の最も大きな男女も、最低な考えを抱く、心の最も狭い男女によって打ち落とさ れてることもある。それでも大きな着想を抱きなさい。
・人は弱い者に同情しても、優勢者に追随する。それでも弱いもののために戦いなさい。
・あなたが何年もかかって築きあげたものが一晩で破壊されるかもしれない。それでも築きあげなさい。
・本当に助けを必要としている人をあなたが助けようとすれば、非難されるかもしれない。それでも人を助けなさい。
・あなたが持っている自分の最善を世のために尽くしても、酷い目に合される。それでも、世のために最善を尽くしなさい。

ひとつひとつの言葉が改めて胸に響いてくる。会場で質問を受けた時、自分のやっていることが偽善ではないかと悩むことがあるという青年に対して、彼はこう答えた。
「疑いを持たずに行動すれば、人を傷つける。疑いを持って行動しなければ、自分を傷つける」と。
悩みながら、戸惑いながら、それでも一歩一歩、前に進める歩み続けることが大事なんだなぁと改めて思った。
ひと針ひと針&一歩一歩・・・・・迷うから学ぼうとする。学ぶから一歩前に歩けるのかな・・・・
変わらずの一歩一歩。