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パザパ

パザパ pas a pas ・・・フランス語で一歩一歩。頑張らずでも一歩一歩前に進める日々を願って・・・

真っ白な世界で考えたこと

目覚めたら外は真っ白な世界に変わっていた。大寒波到来!で、ここ福岡もこの冬初めて雪が積もった。久しぶりのお休みに片付けなくてはいけないこと山積みだから、閉じ込められたことを幸いとして、1日中机の前に座り、資料の整理に集中して取り組んでいた。しんしんと雪が降り、窓の向こうは真っ白な世界が広がっていて、そのピーンと張りつめた静寂が、むしろここちよい。

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1月いっとき・・・・本当にいっときの間に過ぎ去っていく。母を見舞いに別府へ行く電車ソニックの車内で、重くなった携帯のデーターを整理し消去しようと、録音されたものを聴き直していたとき、すっかり忘れつつあった、懐かしい過去のひとときと思いがけず再会することが出来た。それは5年前の冬、ヨーガ療法士の資格を取るために大分に通い勉強をしていた時の講義の録音だった。講師の山岡先生がヨーガスートラの第二章第15節をわかり易い言葉で読み解いていく。先生の問いかけに答え、頷き、時には笑う5年前の私がいる。仲間たちの声が聞こえる。一瞬にして5年前のあの空間に戻る。

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事象の転変と不安と残存印象とからは、苦悩が生じ、同じく、三種の徳性と心理作用双方の働きが相反するゆえに、識別の智慧を得た者にとっては、この世のすべては苦しみなのである。(Ⅱ-15)」

生きている限り試練は次々にやってくる。しかしその試練を苦とみるか、その苦を学びと捉え、智慧を得るか・・・・
私たちは天気の良し悪しを雲の有無で判断する。雲の上にはいつも青い空があるのに。人生も同じ。耐えず雲が生じ、流れていく。人は事象の変転に心を乱し不安、恐れを抱く。変わらない青空の存在を忘れて。人はなぜそれを苦と捉えるのか?それは過去の記憶からこれは「苦」だと判断をするからだという。残像印象(過去の記憶)が一層それを苦だと受け止めてしまう。
しかし識別の智慧を得た人は、こころの自由度が広いから、苦の中に意味を見出し、苦を苦と思わず、ゆえにそれを苦だとは捉えなくなる。
どんなことが起きても、それに意味があって起こっているのだとむしろ次のステップへのチャンスと受け止める。それって言うは易く、行うは難しだよね。
だから、そうありたいと願い、ヨーガを学び続けている。そして一人静かに座したとき、決まって自分に問いかけている。この苦にはどんな意味があるのか・・・

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年明け早々、学会本部から4月末に埼玉の大宮で開かれるヨーガ療法学会の分科会で、ずっと指導してきたがんセンターでのヨーガ教室のことを講演して欲しいと依頼が舞い込んで来た。「えっ!!この私がですか!」分科会とはいえ、100人近い人たちを前に、ちゃんと臆せず話すことが出来るのだろうか?私のようなただのおばさんがそんな晴れがましい場所に立っていいのだろうか?・・・・不安、恐れがぐるぐると頭の中を回り、そしてやっとスートラのこの言葉を思い出した。

「いまだ生じて来ぬ苦悩は、除去しうる。(Ⅱ-16)」

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 大地にしっかりと根を張り、天に向かって枝を広げ、迷いなく立っている木のように、凛として迷わぬ私でいたい。そのためにも真摯に学び続ける姿勢を失わないでいよう。
資料を整理し、ヨーガ教室で行ったアンケートの集計に終日パソコンの前で格闘していた。ほぼ7時間近く。外は相変わらず真っ白な世界が広がっていた。
抗がん剤で辛い気持ちが晴れ、頭がすっきりしました」「先生のお話で勇気づけられました」「今後の生活に取り入れて、前向きに生きていきたいです」「シンプルな動きでこんなに効果を体感できることに驚きました。他の病院でもこのような機会があるととてもいいと思いました」
寄せられた患者さん一人一人の言葉が背中を押してくれる。そう、患者さんの思いを伝えるために、頑張らなくては!!
真っ白な世界で考える。こころを真っ白にして、与えられたことを懸命にひとつひとつ向かい合っていこう・・・と。

変わらずの一歩一歩、ニコニコの2月もうすぐそこに。

注釈:『ヨーガ・スートラ』はインド哲学の1派であるヨーガ学派の根本経典。成立は2-4世紀頃。パタンジャリによって編纂されたとされる。By ウィキペディア

★最近読んだ本  「ラオスにいったい何があるというのですか?」村上春樹
★最近観た映画  「007 スペクター」 ダニエル・クレイグ主演