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パザパ

パザパ pas a pas ・・・フランス語で一歩一歩。頑張らずでも一歩一歩前に進める日々を願って・・・

さよなら 弥生三月

早くも春爛漫、桜咲く3月も最終週末。「久しぶりに植物園とかに花見に行かんね」と夫くんのお誘い。「すいません、今週末も忙しいんですわ!」週末の夜は送別会で遅い帰宅後、すんなり眠りに入れないままでかなりの寝不足ながら、翌日の日曜日にはかなり頑張って早起きをした。月一度開催されるYTIC講座で、ヨーガ療法士を目指して学ぶ方たちのお手伝いに、早朝から丸一日缶詰状態で過ごした。
もう6年くらい前になるのかな、私もかって同じように学んだ日々があった。過ぎ去った日々を思い、あれから私はどれくらい成長したのかなと、自分の原点に向かい合った1日でもあった。

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寒々の日々から信じられないほどに気温は上がり、いつの間にか春になり桜は咲き、満開の時を迎えている。写真に撮ってその美しさや素晴らしさが、一番見えないのが桜かなと思う。桜にはきっと魂が宿っていて、それが画像では現れないんかも知れんよね!そう思う。
週明けの月曜日はトレーニングも兼ねて、福岡城址まで歩いて行って満開の桜を見て来よう!そう思って足に重りを装着し、リュックに水も入れて気合入れて出かけた。多分1時間半以上の道のり。歩き始めて40分後、友人からメールが入る。「お花見行かん?」「ごめん、もう歩いて向かってるんよ」「え??歩いて??」「車で拾うけん、場所教えて!」で、道半ばで友人の車に拾われて、満開の桜を二人で歩き今年の桜を満喫した。トレーニングは中断されてしまったけれど、桜は一人で愛でるより、やっぱ二人がいいかも!と思ったり。

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ほとんどの日々をヨーガの指導を生業として過ごしている。私のヨーガは体へのアプローチ以上にこころに問いかけ、ヨーガの深い世界観などを言葉で伝えることがとても多い。つまり人前で熱く?思いを語り続けることを毎日のように繰り返している。だから私の別名は自称「語りのNINO」!?!
一応国文学を専攻した短大時代から、ずっとかもしれないけれど自分の思いを伝える言葉、人に気づきをもたらす言葉にこだわって生きてきた。ゆえに思いを伝える言葉の引き出しは大切にしてきた。言葉の根源である言霊(ことだま)・・・その人の魂から生まれるのかなと思っている。

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 本を読む。音楽を聴く。絵画を鑑賞する。たまには描く。そして映画を観る。私の大好き世界のすべては、そんな言葉の引き出しを増やすことに繋がっているように思う。特に映画は私の人生の師と言っても過言ではない。
そんな私のシネマライフ、先日観に行ったのはチャン・イーモウ監督の最新作「妻への家路」。1987年の「紅いコーリャン」以来、「秋菊の物語」「紅夢」「あの子を探して」「初恋の来た道」、そして高倉健を主演に迎えた、『単騎、千里を走る。』など、もう30年近く観続けて来た。主演は「紅いコーリャン」や「紅夢」など長い間イーモウ監督作品で主演してきたコン・リー

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文革で引き裂かれた夫婦、夫の記憶だけを無くした妻。やっと帰り着いた我が家で、夫として迎えられない辛さを抱えながら、そんな妻の記憶を何とか取り戻そうと奮闘する夫。愛する妻の側にいるのに、他人として見守るしかない悲しみ。歴史の荒波に翻弄され、一度しかない人生を重い荷物をしょって生きなくてはならなかった家族。人はそんな過酷な現実の中でも、愛する人のために懸命に生きるという不変の思いを貫いていく。「あなたはそこにいますか?そこにいる今をちゃんと受け止めていますか?愛する人のために生きていますか?」観る者の今に静かにそして深く問いかけてくる重厚な作品だった。

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私の人生に大きな影響を与えてきた映画をはじめ、その歴史が生み出していった様々な文化にずっと影響を受けて来たのが実は隣国中国だったことに改めて気づく。
そんな中国という国の間に、中国残留孤児という存在があったことを、今、どれほどの人が記憶に止め、忘れずにいるだろうか?
戦後、中国の大地に残された孤児たちのことを、そんな子供たちを実の子供として育ててくれた中国の人たちのことを、そんな時代に翻弄された人たちのことを、丁寧に描いた初の日中合作のドラマ、「大地の子」を知っている人、またはリアルタイムで見た人はどれほどいるのだろうか?

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今から20年以上の前にNHKで放映された「大地の子」は当時話題となった秀作のドラマだった。そのチーフプロデューサーであった河村正一さんは、実は高校時代、所属していた新聞部の部長だった方だった。

大地の子」は山崎豊子さんの原作を元に、中国残留孤児となって中国人の養父に育てられた陸一心を主に、戦争という歴史の荒波に翻弄されながらも、国という垣根を越え戦争という荒波を超え、人としての深い愛を貫いた人々の姿をとても丁寧な想いと共に描いたTVドラマの金字塔ともいえる作品であった。

f:id:chezk087:20150305110021j:plainそんな「大地の子」の制作秘話をドラマのチーフプロデューサーであった河村先輩がまとめ、昨年末に出版されたのが「もうひとつの大地の子」であった。厚かましくもお願いして送っていただき、時には涙しながら読ませていただいた。
初の日中合作ドラマであった「大地の子」制作にあたっては、想像を絶する苦労があったこと、現地でのロケでの様々な苦労、トラブルなどなど、さらに神がかりとも言えるような奇跡的な出来事、真実の涙・・・・私たちがお茶の間で観ているドラマがどれほどのスタッフの努力で、その結晶で出来上がっていることを深く気づかされ、また一層の感動をもたらしてくれた本であった。

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高校時代夢中で暗記した漢詩、読み漁った孔子老子の思想、ずっと観つづけて来たチャン・イーモウ監督作品、そしてドラマ「大地の子」で知った中国の人たちの深い愛。PM2.5や黄砂で霞む空に、悩ましい春の日、急成長を遂げる今の中国と、かっての思いが重ならなくなってしまっていることに戸惑うばかり。
隣国に学ぶ。失ったものをもう一度取り戻すために、私たちは今、何をしなくてはいけないのか。何を大事に生きていかなくてはいけないかを。私に問いかける宿題がまたまた増えてしまったけれど、問いかけ模索することが私の成長に繋がるように思う。え??この歳になってもまだ成長したいん??!!人生死ぬまで修行!です。

明日は雨の予報。桜散らす雨にならなければいいけれど。今日で3月が終わる。明日から4月。始まりの4月。新たな思いを胸に、一歩一歩丁寧に歩いていこう。

▼最近読んだ本  「もうひとつの大地の子」 河村 正一著
        「吉野 弘 詩集」 吉野 弘 著

        「火 花」 又吉 直樹 著

▼最近観た映画  「妻への家路」 チャン・イーモウ監督